4月20日。今日は誕生日。ヒトラーとチャップリン、そして自分。
なんという人と同じ誕生日なのだろう・・・と毎年、思う。同僚がプレゼントをくれた。
北海道エゾシカ倶楽部という団体の会員だそうで、俺の誕生日である今日、講座に参加してきたといい、パンフを見せてくれた。
「 エゾシカを害獣として駆除するのでなく、 貴重な資源として有効利用し、豊かな北海道で共生したい! だから、学びませんか? 鹿革のこと!!」という講座で、講師は 菊地 隆 氏。
「 NPO法人 エゾシカ利用協議会 代表理事
合同会社 EZOPRODUCT 代表
鹿革を加工、製品化し、 北海道ブランドとしての確立を目指している 北海道を代表する鹿革デザイナーです」とある。
同僚は、その講師の製品をいたく気に入り、ちょうど今日が、日ごろ大変お世話している俺の誕生日であることを思い出し、
ケータイケースを買ってきてくれたという。
プレゼントを貰うのはうれしい。しかし、万が一、あまり気に入らなかった場合は、気まずい・・・
それが家で使うものならば、「ありがとう!家で大事に使っているよ」とごまかすこともできるが、ケータイケースとなれば、
職場の同僚にはごまかしはきかない。
俺は、小物にはちょっと、こだわる・・・だいじょうぶだろうか・・・・少しドキドキしながら、受け取った。



色は黒。赤いステッチ・・・・ここまでは合格!
袋から出した手触り・・・これが抜群に良い!!柔らかさに程よい厚み。
しかし残念なことに、カメラのレンズ用の穴がない。写メを取るたびにいちいち外すのは、手間がかかる。
すると、同僚は得意そうに「私も、そう思ったの。ところが!!」といいつつ、ケータイをスッと上にスライドさせた。
なるほど!!ハンドメイド製品でこのように機能的なのは珍しい。
革の内側には、地模様が入っており、目立たないところにまで、手が込んでいる。
「イノチヲツナグ INORI LEATHER PRODACUTO OF JAPAN 」の刻印がある。
北海道の大地を駆け回っていたエゾシカの革が、ケータイケースとして新たな命を吹き込まれた。
イノチヲツナグ・・・これが、このケータイケースを生み出したクラフトマンの信条なのだと感じた。
多分、安くはないだろう。ショップで買った物の倍はするかもしれない。
貰った側が言うものなんだが、その価値は十分にあると思った。
この年齢になると誕生日など嬉しくないものだが、今日はなかなか良い日になった。
日ごろから、同僚の面倒をみてきた自分を褒めよう。
「私の誕生日は来月です」
ドキッとする発言だが、しかし、同僚のケータイの大きさに合うケースは、作られていなかったらしい。
それは残念だ! (投稿:森 裕子)