2024.3.24(日)札幌エルプラザで上記の講座を実施しました。棚川会員、武田のメモから講座を再生いたしました。
生態ピラミッド(食べる・食べられる関係)では、エゾシカは第一次消費者(草を食べてい
る→野ネズミと同じレベル・生態的にもネズミと同じ)。第一次消費者は誰かに食われない
と数をコントロールできない。第一次消費者を食べるクマは第4次消費者。生態ピラミッド
の頂点にいる。かつて生息していたオオカミも高次消費者。オオカミは群れで生きるのに対
し(家族で役割分担:1匹が殺されると群れ崩壊)、クマは単独で生きる。クマは雑草、木
の実、鮭を食べて、しぶとく生き残る。
※オオカミは、明治時代に絶滅。開拓使に雇われていたアメリカ人獣医師エドウィン・ダンが、家畜
を守るために硝酸ストリキニーネを用いた駆除方法を主導。
シカは栄養条件さえよければ、1歳から出産可能。食物条件が悪くなると身体の小型化や
初産年齢の上昇が起きる。食物が不足すれば、落ち葉、笹、木の枝、樹皮などを
食べるため、樹の形成層が傷つき、水、栄養が上に行かなくなり樹は立ち枯れる。
「クマはせり科の植物が好き。糞に茎の臭いがするのもそのせいだよ」と話す小川講師。
クマは食物が極端に不足する時期を安全に乗り切る。生存戦略は「冬眠」
である。出産は2月。100キロのメスグマが、たった450gの手の平
に乗りそうな赤ちゃんを産むのだ。交尾6月~7月。着床ストップ。妊娠
期間8カ月。6カ月で冬眠に入る。胎児は2か月分しか成長しない。
冬眠中、クマは基礎代謝を落としてエネルギー消費を抑える。
※着床ストップ→クマは妊娠できるためには十分な脂肪を蓄える必要がある。
クマは着床遅延という特異な特性を持ち、秋になって子宮壁に着床する。着床できるのは十分に脂肪を蓄えられた場合だけ。秋の食いだめが不十分だと流産する。脂肪を蓄え、体重は100㌔から130キロまでブクブクになって冬眠する。雌グマは自分自身と子グマの生命維持に脂肪を使う必要があるからだ。
北海道は7割が森林。その奥深くには年かさのオスが陣取る。近寄ると子グマはオスに食
べられてしまうので森の外側にいる。札幌は森林と住宅街が交接していて、緩衝地帯が無
い。市街地に出没するクマの殆どは親子グマか独立したての若いクマ達。
北海道のクマ→1万頭前後。エゾシカは60~70万頭。 シカとの交通事故→事故。
クマの出没は事件となる。クマは出てこないようにする方法はあるが、シカは、音、光、超音波などを試みても、どれも決定打が無い。
彼らが街中に現れる→動物だけが悪いと片づけられるが本当にそうか?
クマがいると分かっているところに、出没情報も無視し、クマスプレーも持たずに一人で行く。クマが突然人を襲うことはない。事故の前に何かやっているはずだ。釣り人が不要となったエサを簡単に投げるとか。事故の前に改善すべきこと、気を付けるべきことは多い。前触れをキャッチすること。
2023年度のクマ被害者は200人超で過去最高。放置できないとして環境省が、クマを「指定管理鳥獣」に追加。いわば…指名手配のようなものだ。現在はニホンジカとイノシシが指定されている。指定されると、自治体が行う捕獲や頭数調査、住宅地の侵入防止策などの費用や人材育成などについて国が助成できるようになる。北海道のヒグマと本州のツキノワグマが対象。
政府はハーフライフル銃の規制強化などを盛り込んだ銃刀法の改正案を閣議決定した。猟銃を所持する際に10年間はハーフライフル銃を許可しないとした。ただし、エゾシカやヒグマの駆除に使われているという道内の事情に配慮、許可の特例を設けて若手ハンターなどの所持を認める方針か?北海道猟友会札幌支部は「実態に即した対策のありかたにも配慮して欲しい」との要望を出していた。4月末現在、まだ固まってはいない。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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