エゾシカ猟シーズン終了!統計データによる狩猟事故分析


エゾシカ活用研究家   板倉 修一(2019.4.4)


今期のエゾシカ猟が3月31日で終了した。昨年11月に発生したエゾシカ猟中の誤射による死亡事故がニュースで大きく報じられたが、狩猟中の事故はこれだけではない筈だ。実際には狩猟事故による死傷者はどのくらいいるのか、その原因も気になる。狩猟者は、エゾシカから北海道の森を守るという重要な使命を担っている大切な存在。この方々の危険も防御しなければならない。これについて、当倶楽部新会員である板倉修一氏(エゾシカ活用研究家)に訊いた。板倉氏の資料からは、狩猟が私たちの考えている以上に危険と隣り合わせの仕事であることがわかる。狩猟者の安全を守り、死傷事故を防ぐための方策を国はもとより、消費者の私たちも共に考えていくべき課題だと考えさせられる。

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エゾシカは北海道に昔からいる野生動物で、エゾオオカミを頂点とする食物連鎖の重要な役割を担っていました。しかし近代に入り、人間がエゾオオカミを絶滅させてしまったことで自然界のバランスが崩れ、エゾシカが増えすぎて北海道の農林業や森林保全に大きな被害を与えるようになってしまいました。エゾシカを北海道の森林に適した数に調整する現在の取り組みにおいて、エゾシカ猟が重要な役割を担い効果をあげています。

エゾシカ猟は冬場の森林や山中で厳密な安全管理ルールに従って実施されていますが、様々な要因によって人里から離れた自然の中で狩猟者が事故に遭遇することがあります。エゾシカと人の共存に不可欠な北海道の狩猟を継続していくには、安全であることが最優先であり、徹底した未然防止活動に加えて現場での事故対処=ファーストエイドで被害を最小化することも重要になります。


環境省のHPにて公開されている狩猟事故の統計データーをもとに、事故の分析と狩猟者が身に付けるべきファーストエイドについて独自に検討した資料を公開いたします。エゾシカ猟の安全性を高め、エゾシカの個体数調整が適正に継続されるためにも、狩猟にかかわる方の参考にしていただければ幸いです。