◇◆◇エゾシカはもはや可愛いバンビではない


2013年8月25日(日)8:00 NHKで放送された「小さな旅 花の夕張岳山頂へ・・・北海道彩りの道」をご覧になりましたか。

夕張岳を彩る高山植物たち。シカに食べられてしまえば、これら美しく愛らしい花々が二度と咲くことはないでしょう。道庁の方々と酪農学園大学の学生さん達が花を守るため、重い機材を背負って登山。電気柵を設置するなど、大変な作業をしている姿が映し出されていました。学生さんが語っていた言葉が心に残ります。「この場所に根付いて生きている花々がいとおしくて・・・」と。


エゾシカは、もはや可愛いバンビではありません。

生息数の爆発的増加が危惧されています。体格が大きいエゾシカは一日に2-5kgもの植物を食べてしまう大食漢。採食する植物の種類も多種多様。森を食い荒らし、被害は家庭菜園にまで及び、交通事故件数は増え続けています。 


怖ろしいのは市街地に出没するエゾシカ(アーバンディア)。札幌市も例外ではありません。昔、私たちは「カラスは山に」と歌っていましたが、いま、カラスの住処は街の中。繁殖期には近くを通りかかる人間を襲撃してきます。同様のことがエゾシカについて起こらないでしょうか。シカの生息数は64万頭。生後1年目には出産可能。放置すれば4年で2倍になるという個体数。一方で北海道の人口は、たかだか560万人。加えて少子化が進むため、数の上で、とても太刀打ちできる相手ではないのです。彼らには人間を排除するに十分な威力を持つ「角」という危険なツールを持っています。それほど遠くない未来に、人間にとって代わったエゾシカ達が街中を悠々と闊歩する姿が目に浮かびます。まさに北の大地はエゾシカ王国。若いハンターを育てない限り、決して杞憂ではないでしょう。


まずは捕獲。問題はその後です。

シカも懸命に生きていることを忘れたくないのです。その尊い生命を奪うのであれば、一般廃棄物として棄てるのではなく、豊かな産業資源として食材への活用は勿論のこと、皮も角も骨も工芸品という形で残すことを試みるべきでしょう。それこそが命を落としたシカに報いることになり、シカが社会に生きた証にもなるのではないでしょうか。 


北海道の豊かな生態系を守るため、超高齢社会を突き進む道民を守るため、そして北海道経済の苦境を拓くためにも、行政、事業者、消費者が一体となって行動する必要があります。何故、行政と事業者だけに任せておけないのでしょうか。答えは簡単です。シカ肉を消費するのも工芸品を使用するのも消費者だからです。消費者のマインドが変わらない限り、行政のどんな施策も事業者のどんな努力も効を奏することはできないでしょう。「北海道エゾシカ倶楽部」活動の目的は、エジシカについて学ぶことでその習性を知り、エゾシカ対する消費者マインドを変えることにあります。