• ホーム
  • 団体概要
  • サイトマップ 
  • 活動記録
  • エゾシカセミナー3連続講座
  • エゾシカフェスタ
  • 捕獲・ハンター
  • 生物多様性
  • 会員レポート・構想
  • 人獣共通感染症
  • シカと森林
  • エゾシカA to Z 
  • エゾシカ衝突事故
  • シカ肉
  • シカ角
  • シカ皮講座(竹之内一昭)
  • 鹿と漢方
  • シカ皮・革
  • エゾシカ先進地情報
  • 鹿プロ
  • ブログ
  • 問い合せ先
  • リンク集
  • 環境報告書展2023特設会場

◇◆◇霧多布湿原でエゾシカと出会う (2016.3.26)


 3月25日午前11時13分。釧路から根室へ向かう花咲線が駅のホームを静かに離れた。すかさず「この列車はエゾシカが多数出没する区間を走行します」との車内アナウンス。エゾシカとの接触事故の多さでは花咲線は道内トップであることは承知している。だが、まさか自分が乗客になろうとは考えたこともなかった。その私が車中の人となったのは、この日の午後行われる浜中消費者協会主催の学習会で講師役を仰せつかったからである。 


別保駅
別保駅
厚岸駅
厚岸駅


 最初の停車駅は東釧路。次が武佐。そして別保を過ぎたあたりから、周りの景色が一変してくる。なんとまア、ファンタスティックな!白茶けた木々が乱立する原生林。あちこちに折れ伏す倒木が侘しさを掻き立てる。黄褐色の濃淡が醸し出すモノトーンの世界。何処まで続くのだろう。地元の方々には見慣れた景色かもしれないが、よそ者は驚くばかりだ。映画館でファンタジー映画を観ているような気分になった。幻想的な風景を窓外に引きずりながらトコトコと二両編成の列車は走った。


車窓から
車窓から

「次は茶内です」とのアナウンスで私は降車の準備。リュックを背負って運転室の真後ろに移動した。前方の線路が遠くまで一目で見渡せる。突然、エゾシカ二頭が線路の右横に現れる。しかし、列車に気付いたのかUターンして林の中に消えていった。だが、これで終わりではなかった。いきなり、一頭のエゾシカが電車の僅か数メートル先を左から右へと横切ったのだ。近づく危険をものともせずに、悠然と線路を渡った。列車は急停車することもなく、何事もなかったようにゆったりと走った。よくぞ接触しなかったものだと私は胸をなでおろす。運転士さん、エゾシカ氏、双方ともに日常茶飯の出来事なのだろう。さすがはエゾシカ出没件数で群を抜く花咲線だ!だが、この決定的シャッターチャンスをモノにすることはできず、感心しただけで終わってしまった。あまりにも突然の出来事だったし、カメラはリュックの中で取り出す暇もなかったからだ。


 茶内駅に降り立つ。初めて訪れた地。駅の前には「ルパン三世モンキー・パンチ氏の故郷」という大きな立て看板。荒野の果てのこの町でルパン氏に再会するとは思わなかった。だけど、いつ見てもカッコイイわね。なんたってクールでダンディ!あー、思い出すなあ。アニメ放送を毎週楽しみにしていたあの頃。不二子ちゃんは元気かしら? 次元大介は? 銭形警部は? それに五ェ門もいたよね。懐かしいキャラクター達が頭をぐるぐる駆け巡る。だが、それ以上見とれている暇はない。私は仕事で来ているのだ。


三膳理事長
三膳理事長

 浜中消費者協会事務局の方が車で待っていてくださった。後でわかったことだが、この方は「認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト」理事長の三膳時子氏。見るからに明るく颯爽とした活動的な方だった。氏は霧多布に生まれ、霧多布に育ち、この地を誇りに思い、湿原保全に取り組んでいるという。いまは茶褐色一辺倒の湿原も夏になれば、白から黄色、そして紫へと花々が群生し、美しい姿に変わっていくのだと楽しそうに話された。高山でなければ見られない植物が、この低地に咲き誇るのだとも。白い花が咲けば心ときめき、黄色で華やぎ、秋の訪れを告げる紫色の花が咲く頃には不思議に心が落ち着いてくるという。色彩というものは人の心に影響を与える不思議な力を持つんですねと語られたしみじみした声が耳に残った。 


さて、今走っている道路は湿原を二分して作られたものだとか。町と地続きだったのにチリ津波で切り離され、島になってしまった場所もあるそうな。その島に架けられた橋も渡った。

 あ!エゾシカが立っている。車を停めてもらい、今度こそとカメラを取り出したものの、茫々と生い茂るヨシやススキに阻まれ、彼氏は見えなくなってしまった。この辺りには丹頂鶴も営巣するが、最近、幼鳥が育たなくなったという。原因はシカが移動することで出来るシカ道。キタキツネにとって都合がよくなり、鶴の幼鳥を襲うのだろうと地元の方々は考えているそうだ。 


2016.3.25撮影の霧多布湿原
2016.3.25撮影の霧多布湿原

夏の日 大坪氏が撮影した霧多布湿原
夏の日 大坪氏が撮影した霧多布湿原

 浜中町は漁業と酪農の町。町の自慢は猫足昆布と美味しい乳製品。牧草が上質なので、これを食い荒らすシカは栄養満点。霧多布のエゾシカ肉は美味しいですよと三膳理事長は笑われた。  

 学習会終了後、案内して下さったのは勿論、ご自身が理事長として事務を執る琵琶瀬展望台。木の香りも鮮やかなペンション風のロマンチックな建物。ここでは霧多布の自然を愛する専門家たちが働いていた。中には霧多布を愛するあまり、本州から移住してきた方もおられるとか。この法人のミッションは「この湿原を未来の子どもたちへ残していくこと」である。ご当地ならではの濃厚で温かい牛乳をご馳走になる。


琵琶瀬展望台
琵琶瀬展望台

 

右手に見えるのは浜中町の鳥をイメージした「エトピリカ」トイレです。

エトピリカという鳥は海鳥でカラスより少し小さくずんぐりとした黒い姿で、くちばしと足が赤い鳥です。

オスは飾り羽を付けた頭がきれいなんです。地元ではオイラン鳥と言われている鳥です。(解説:三膳理事長)

 



シカの侵入を防ぐ電気牧柵(琵琶瀬展望台)
シカの侵入を防ぐ電気牧柵(琵琶瀬展望台)

霧多布湿原センター(写真提供:三膳理事長)
霧多布湿原センター(写真提供:三膳理事長)

 

 次に案内されたのは、当法人が2005年4月から指定管理者として運営を任されている「霧多布湿原センター」。霧多布湿原が一望できる高台にある。といっても目の前にあるのは枯草のような褐色一面の世界なので、夏の美しい湿原の写真が載った絵葉書を買うことにした。撮影者である大坪氏にもお会いした。エゾシカHP掲載の許可を得る。 


 さて、旅行を通してエゾシカには何度も出会ったものの条件に恵まれず、撮影は叶わなかった。ただ、「霧多布湿原センター」のテラスの下に点々と散乱する黒い豆粒がエゾシカの糞だと説明を受けたので、これをカメラに収めてきた。エゾシカ記念写真は恥ずかしながらこれ一枚。それでも何も無いよりはマシだろうか。2泊3日の旅は終わった。


写真収穫はこれ一枚。「エゾシカの糞」
写真収穫はこれ一枚。「エゾシカの糞」

 

 ◆懐かしいルパン三世が出迎えてくれますよ。

        ↓

        浜中町公式ホームページ  

 

会員レポート・構想
ホームへ戻る

  • なぜ、シカは鉄路に侵入するのか
  • エゾシカを知り共生を考える
  • 地球温暖化でエゾシカはどうなる?
  • エゾシカ猟「狩猟特区」の構想
  • スポーツハンティング構想
    • 霧多布湿原でエゾシカと出会う 2016.3.25
    • エゾシカモニターツアーに参加しました
    • 生物境界線黒松内低地帯日帰り紀行

             

公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子

                          060-0808 札幌市北8条西3丁目 札幌エルプラザ2階                                     

                                                     TEL :011-728-8300 / FAX 011-728-8301         E-mail:ezoshika_club@yahoo.co.jp

プライバシーポリシー
Copyright(c) 2013 北海道エゾシカ倶楽部 All rights reserved
ログイン ログアウト | 編集
  • ホーム
    • 最新情報一覧
  • 団体概要
    • 代表ご挨拶・役員紹介
    • Club's Profiie
    • 札幌市のSDGsへの取り組み
  • サイトマップ 
  • 活動記録
  • エゾシカセミナー3連続講座
    • エゾシカと納豆2015.5.30
    • エゾシカ皮から膠を作る
    • 身近な生活にエゾシカ皮を!
    •  オオカミと日本文化
    • あそビバ!エコプラザ 2020.1.11
    • お手製カルタ人気!道立博物館出展
    • 高校でエゾシカ講座
      • 平成25年度 エゾシカ倶楽部活動一覧
    • エルプラまつり 2017.9.9
      • エルプラまつり 2016.9.10
      • 2013.9.7 エルプラまつり
  • エゾシカフェスタ
    • 第7回エゾシカフェスタ2019①
      • 第7回エゾシカフェスタ2019②
      • 高校生のボランティア感想
    • 第6回エゾシカフェスタ2018①
      • 第6回エゾシカフェスタ②シカ増加は空飛ぶ鳥にまで
    • 第5回エゾシカフェスタ2017
    • 第4回エゾシカフェスタ2016
      • エゾシカフェスタ2016②
    • 第3回エゾシカフェスタ2015 ❶
      • エゾシカフェスタ2015❷道庁
      • エゾシカフェスタ➌アイヌ文化
      • エゾシカフェスタ2015➍
      • エゾシカフェスタ➎反省会
    • 第2回エジシカフェスタ
      • 2014.10.27伊吾田宏正准教授のお話から
      • 10.27 アルバム❶
    • 第1回エゾシカフェスタ2013 10.26 特集
      • 2013.10.26 パネルディスカッション
      • 10.26アルバム
      • エゾシカフェスタ・アンケート結果
  • 捕獲・ハンター
    • ハンターに聞いてみよう!エゾシカのこと
    • 知ってますか?ハンターのこと
      • エゾシカ猟シーズン終了!統計データによる事故分析
    • 「狩猟者の現状と今後の野生鳥獣対策」
    • ハンター 林 豊行氏ブログ
      • メスのエゾシカがオス化?
    • 変形角(坂本達也氏)
    • エゾシカ捕獲の課題とは?
      • 野生動物を安全に食するための法令等
      • 北海道エゾシカ対策推進条例
      • 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
      • ジビエブーム到来か。国が衛生指針
  • 生物多様性
    • 気候変動が変える。生き物と私たちのくらし
    • 野生動物と地域社会の未来
    • 人類の前に立ちはだかるもの感染症
    • 私たちのくらしと生物多様性(札幌市講座)
    • 生物多様性の危機!
    • 人は街で、ヒグマは森で(ヒグマ講座)
    • 流行語大賞「OSO18/アーバンベア」トップ10入り
      • 「モーリー」編集長が語る魅惑の北海道
    • エゾシカ猟が原因!猛禽類が鉛中毒に
      • エゾシカ増加がワシ達にもたらしたもの
    • 後志地域生物多様性協議会の取り組み
      • 環境DNAを用いた生き物調査
      • 後志地域生物多様性協議会 2017年
      • カラスの誕生とその顛末
  • 会員レポート・構想
    • なぜ、シカは鉄路に侵入するのか
    • エゾシカを知り共生を考える
    • 地球温暖化でエゾシカはどうなる?
      • エゾシカはもはや可愛いバンビではない
      • エゾシカ随想「究極の地産地消」
    • エゾシカ猟「狩猟特区」の構想
    • スポーツハンティング構想
      • 霧多布湿原でエゾシカと出会う 2016.3.25
      • エゾシカモニターツアーに参加しました
      • 生物境界線黒松内低地帯日帰り紀行
  • 人獣共通感染症
    • 食品衛生上の諸問題
    • シカ肉を安心して食べるための知識(籠田勝基)
    • 公衆衛生上注意すべき人獣共通感染症
      • 鳥インフルエンザ!人への感染は?
      • 食品安全委ファクトシート公表
  • シカと森林
    • シカと植物(高槻氏講座より)
    • エゾシカ活用セミナー(山田晴康)
    • シカと森林生態系の話 青柳正英
    • シカが増えてヤマビル増加!
      • エゾシカの食害風景
      • エゾシカ被害状況2013.9.24
  • エゾシカA to Z 
    • 野生動物に学ぶ(小川 厳)
    • 天塩町にて。留萌管内消費者大会
    • シカの数を増やしたのは誰なのか?
    • 北緯43度は発酵ライン(永田吉則氏)
    • エゾシカと納豆セミナー
    • エゾシカの裏と表(菊地隆)
      • 北海道新聞の注目記事
      • 小さな町が挑んだエゾシカ大事業
    • 北海道のエゾシカ対策2014. 7.15
      • Study meeting report in 2014
    • 驚きのエゾシカ事情 2013.7.18
      • Study meeting report in 2013
  • エゾシカ衝突事故
    • 「動物注意」道路標識の謎!
      • アナタを救う保険はコレだ!
  • シカ肉
    • シカ肉料理の魅力を味わう!
    • 蕎麦とシカ肉の調理実習
    • 北海道の衛生処理マニュアル&処理施設認証制度
    • もっと知りたい!エゾシカ肉 2015.3.23
    • 居酒屋店主が指南!旨さ抜群シカ肉調理
    • これぞ最高!ハンター松前の猟師めし
    • 三笠高校レストランにて
    • 風の街 苫前町でエゾシカイベント
    • 鹿肉の栄養価について
      • エゾシカと認知症
      • 軽部光の健康教室(エゾシカよ!役立て!)
    • NHKほっと中継 2018.11.12
    • NHKライブ北海道
      • 2014年「今年の一皿」はジビエ料理
      • 2017会員のための料理研究会
      • 2014.会員のための料理研究会
      • 2013会員のための料理研究会
      • 白石区・豊平区合同地区活動
      • Venison Restaurant Guide 「Nakamachi-Gabacho」
      • 「Nakamachi-Gabacho」
      • エゾシカ料理&国際交流会
  • シカ角
    • エゾシカを見たい!オーストラリアからお客様
      • オーストラリアと北海道のシカ事情
      • オーストラリアのシカ写真
    • 「アメリカ鹿事情」&「クラフト教室」
    • シカ角と黒曜石で北の文化を提案Gyusup(in USA)
      • 白滝村の黒曜石は世界一。Mr.Josephと行く!
      • シカ角とクラフト講座準備始める!
      • シカ角工芸を楽しむ
      • シカ角加工教室に参加
      • シカ骨・歯・爪
  • シカ皮講座(竹之内一昭)
    • シカ皮の鞣し(竹之内一昭)②
    • 学術レポート
    • 古代の鹿革製品(竹之内一昭)③
    • 中世・近世の鹿革製品(竹之内一昭)④
    • 正倉院の鹿毛筆(竹之内一昭)
    • 鹿毛の筆(竹之内一昭)
      • エゾシカ皮の活用会員向け講座(竹之内一昭)
  • 鹿と漢方
    • レシピなし!ぶっつけ本番!鹿肉水餃子
    • 堀田式 新型コロナ対策
    • エゾシカは生薬の宝庫!(鄭権)
    • 漢方薬!エゾシカの角と角からとれる膠
    • シカと漢方薬講座(鄭権)
    • シカは「薬」として使えるのか?
  • シカ皮・革
    • シカ皮有効利用に向けて
    • エゾシカ革加工・親子体験講座 in2024
    • エゾシカ革の魅力 菊地隆
    • エゾシカレザーとビーガンレザー
    • 循環型社会におけるエゾシカの皮革利活用
    • エゾシカ皮利用 2014.6.15
      • 印伝との出合いと甲府の想い出
    • エゾシカ皮の魅力!縄文太鼓演奏会
      • エゾシカレザーで素敵なペンケース製作体験
      • 素敵なエゾシカストラップ講座
      • 2017エゾシカ皮でストラップ講座
    • エゾシカ革を買いました
    • 購入した革は三方から撃たれていた
    • エゾシカ皮と北海道そこから生まれるエシカルライフ
    • 北海道のシカ革デザイナー
      • 菊地 隆
      • 北海道ジビエ・狩猟フォーラム
      • 展示会での菊地氏
    • 「エゾシカ皮の活用・エゾシカ猟(竹之内一昭)①
      • 高倉 豊
      • 原 ななえ
  • エゾシカ先進地情報
    • 西興部村のエゾシカ対策
    • ガイド付きハンティングで地域おこし
      • 西興部村猟区における地域管理の取組みを聴く
    • エゾシカ対策の先進地西興部で学ぶ2016(前編)
      • エゾシカ聖地西興部でシカ肉パーティ
      • 西興部村で解体所見学
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く 2014❶
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く②
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く③
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く④
      • 滝上町で試食会アンケート西興部村より
      • 新会員森裕子が見た!西興部2018
    • 当別町から
    • トップアスリートを町ぐるみで育む町
      • 環境未来都市からSDGs未来都市へ!下川町のエゾシカ対策
      • 下川町長 谷 一之氏
      • 下川町で「美味しいエゾシカ話」
  • 鹿プロ
    • クオレ三線工房「えぞ三弦」
      • 鉄板串焼店「仲町ガバチョ」
      • シカ肉料理食べある記〈罠」
  • ブログ
  • 問い合せ先
  • リンク集
    • シカ写真集
      • 山田貞司氏
  • 環境報告書展2023特設会場
  • トップへ戻る
閉じる