1）安全性からの分類

　・無毒　 上薬（上品）→ 命を養う薬・無毒で長期使用可能（120種）、不老長生を願う

　・小毒 　中薬（中品）→ 体力を養う薬・使い方次第で毒に（120種）、体が弱り衰えた状態を補う

　・大毒 　下薬（下品）→ 病気を治すための薬・毒性が強い（125種）、病気の積極的な治療

2）起源からの分類→植物性・ 動物性 ・鉱物性・ 菌類性・ 昆虫類性

　〇動物性で最強の素材は「鹿」→　全身が「宝」→（皮・骨・角・脂・尾・歯）

　・認知症の発症リスクを抑える働きあり。乾皮症・糖尿病・男女の不妊・関節症等。

　・血液に働きかける。人間の老化は血液に密接に関連している。

シカは世界で３６種。中国だけでも１０種類いるが、中国が薬効ありと認めているのは梅花鹿とアカシカのみ。エゾシカは梅花鹿と似ている。野生のシカに薬効がある。養鹿されたシカはそれほどでない。人参も同じ。野生の人参だからこそ薬効があるのだ。

・本州シカはダメ→エゾシカに限る。・トナカイに薬効は認められていない。

・北海道にこれだけのシカという価値ある生き物がいるのに、道民は気づいていない。害獣ではなく「宝」なのだ。

・普及するには技術がある自分がやるしかないと北海道に拠点をもった。 エゾシカ由来の漢方系機能性素材の利活用により、鹿産業が形成でき、 関係事業者が潤われ、最大600億円/年の経済効果が期待できる。

エゾシカは、北海道にとってかけがえのない大変素晴らしい「資源」なのだ。「害獣エゾシカ」を「資源エゾシカ」に変えるのには、先人の知恵を借りながら、官庁、 ハンターの意識改革と、我々一般市民の努力も必要不可欠だ。

鹿由来生薬

　　１、中国薬典（＝日本薬局方）収載品

　　　　①鹿茸（ロクジョウ）・・・・・・精を益す

　　　　②鹿角（ロッカク）・・・・・・・血を行らす（活血）、腫れを消す（消腫）、腎を益す（益腎）

　　　　③鹿角膠（ロッカクキョウ）・・・血を補う、精を益す

　　　　④鹿角霜（ロッカクソウ）・・・・虚を補う、陽を助ける　

　　２、部頒（＝省令）基準収載品

①鹿骨膠（ロッコツキョウ）…寒痺（かんぴ）や湿痺（しっぴ）の治療に応用 寒を去り、痛みを止める 気血虚の改善、血脈の流通や

　気血の流動を促進、 筋骨を滋養

②鹿骨（ロクコツ）…虚蔵(衰弱やせ細り〕を補う、筋骨を強める

③鹿胎（ロクタイ）…腎を益し精を壮んにする、虚を補い精を生じる 虚損労療、精血不足、婦女虚寒、崩漏帯下を治す

④鹿筋（ロクキン）…筋骨を壮んにする効能 労損(過労による衰弱), リウマチ性関節痛,転筋の治療

⑤鹿鞭（鹿腎）（ロクベン・ロクジン）…腎を補う、陽を壮んにする、精を益す 労損（過労による衰弱）、腰膝酸痛〔腰膝がだるく

　痛む) 腎虚耳聾(身体の衰弱により耳が聞こえなくなる）、 耳鳴り 、陽萎,冷による不妊症を治す 名医別録 腎気を補う 千金・食治 　労損〔過労による衰弱〕を主る 目撃子諸家本草 中を補う、五臓を安らげる、陽気を壮んにす

⑥鹿尾（ロクビ）・・・腎を補う、陽を壮んにする、精を益す

・蛋白質が多いと話題になっているが、蛋白質ならエゾシカの方が多い。 

・漢方は、上品・中品・下品と３種に分けられる。コオロギは下品（ミミズ、ムカデ、ヒルの類）。よほどの場合でなければ食べてはいけない。妊婦は使用してはいけない→原因不明の流産。逆に出産が遅れている場合は効果あるかも。漢方２千年の蓄積体験「本草綱目」に記載あり。生体の正常な生理機能を阻害するタンパクを含有するリスクもあり、常時、子供も老人も摂取して良いと宣伝するのは無責任を極める。コオロギ粉末をタンパク源として推奨する前に、タンパク質含量が高く値段が比較的に安いエゾシカ肉をおすすめしたい。漢方的に滋養強壮や冷え性にもいいし、安全でおいしいからである。