「Think Globally, Act Locally」持続可能な社会に向けて


21世紀は環境の世紀と言われています。北海道にとっては「エゾシカの世紀」と言えるかもしれません。エゾシカは北海道が誇る魅惑の観光資源でもあります。でも、増えすぎました。平成26年度の推定生息数は約48万頭。農林業被害額は46億1千万円に及びます。


シカが増えた原因は、天敵オオカミの絶滅、近年の暖冬、ハンターの減少・高齢化、休耕地が増えたなど、いろいろありますが、いずれも人間社会の変化が深く関係しています。ある特定の生き物だけが増えすぎると生態系のバランスが崩れていきます。野生動物の命を尊ぶ一方で、秩序ある狩猟や捕獲がどうしても必要です。そうしなければ、北海道に生息する他の動植物とのバランスを取り戻すことができません。


いま、私たち消費者にできることは、捕獲された命を無駄にすることなくできる限り有効活用していくことでしょう。平成26年度の捕獲数は13.6万頭。その内、食肉として道内外に流通しているのは約16%程度。60%がハンターの自家消費。捕獲されたシカ達の3割近くは未利用のまま捨て去られているのです。


平成25年4月に施行された「北海道エゾシカ対策推進条例」は、エゾシカを道民の共有財産として食や観光などへの有効活用を謳っています。私たちが、シカ肉食べよう運動を始めた目的も此処にあります。エゾシカを日常の食生活に取り入れ、角や皮も余すところなく利用していくことが廻り回って、生物多様性を守り、ひいては北海道の環境を守ることに繋がります。

持続可能な社会に向けて、いま、私たちにできることは「Think Globally, Act Locally」だといえるでしょう。