再び「吹き矢」について


2017.11.6。この日の朝。テレビのワイドショーでは「稚内での吹き矢を使ったシカ捕獲」が、取り上げられていて、偶然見ました。

稚内にシカが増えた原因についての分析がありましたので、メモしておきました。それによると…

 

①稚内市は海に近いことが挙げられます。シカ達は海へ向かって懸命に歩いているのです。海水から塩分を摂るためです。その途中に市街地があるということですね。歩けばお腹がすきますから、立ち寄った民家のお庭や家庭菜園などでお野菜や花木等をご馳走になるのです。無断でね。

②秋は恋の季節であることも原因の一つ。恋い焦がれるシカ女を射止めるにはオス達は競争に打ち勝たねばなりません。栄養をつけなければ闘いのエネルギーさえ得られませんもの。体力をつけた彼らの動きが激しくなり、その行進が荒々しい情熱に満ちたとしても不思議はないでしょう。③更に温暖化がシカの増加に拍車をかけているようです。シカは雪に弱く、放送によると積雪70cmが限度。これを超えるともうダメ。華奢な足で積もった雪の中を進むには出っ張ったお腹が雪につかえてそれより先には進めないのです。その結果、餓死する仲間も多かったのですが、近年の暖冬で多くのシカ達が無事に冬を越せるようになったのです。

④最後にシカが人間を怖れなくなったことも原因の一つとか。何しろ、同じ町内で日夜、町民と同じ食べ物を食べ、寝起きしているとすれば警戒心など生じようがありません。町内会費も払わない不法移民ゆえ、憎まれてしまうのです。住民の方たちが「何とかしてくれ」と悲鳴をあげるのも最もなこと。だからと言って、山中ではないから銃は使えません。そうなると「吹き矢での駆除」が向いているのですね。何しろ、5メートルまで近寄って吹き矢を射ることができるのです。吹き矢は銃のような音が出ません。矢に仕込まれた麻酔薬が効いて15分後に倒れるそうです。シカは仲間の血を見るのが嫌いな生き物。彼らを刺激せずに別のシカも倒すことができるとあれば、駆除側にとって吹き矢使用は良いことづくめ。今後は、この手法でメスを獲ってシカの数を減らしていくとのことでした。さて・・・

 

この日の午後。札幌では行政主催で「食べて守る里山セミナー ~ドンドン活用新食材!エゾシカ~」という試食付きイベントがありました。ここでは、エゾシカ肉の主な成分が披露されました。説明によると・・・ 

カロリー:牛、豚の約1/3、脂肪分1/15、脂質:EDPやDHAを多く含有、鉄分:牡蠣貝とほぼ同等、蛋白質:2

 活用されることもなく、ただ、死んでいくだけのシカ達にも又、同じ成分が内包されていることをしみじみと噛みしめながら帰宅した次第でございます。




我が倶楽部の東野会員が訪れた稚内で撮影した写真です。遠くに希むのは利尻山。そして、サロベツ原野に屯するシカ達です。