たかが2頭!されど2頭!国後島にシカ2頭!


9/24の北海道新聞は、国後島でエゾシカ2頭が確認されたことを報じている。

北方4島ビザなし専門家交流で訪れた「陸棲(りくせい)哺乳類調査専門家交流訪問団」の聞き取り調査で分かったのだという。生息しているのは、少なくともメスのエゾシカ2頭と判断。同島への上陸経路については不明。訪問団団長の大舘智志北大低温科学研究所助教)は、対岸の知床半島などから海を泳いできたか、流氷に乗ってきた可能性が高いと説明。更に、資料が残る明治時代以降、北方四島にはエゾシカは分布していた記録はないそうだ。国後島は、千島列島の南西端に位置し、面積は1489.3k㎡。そこに、2頭のシカがいるといったところで大したことはないと思う方も多かろう。だが、侮れないわけがある


北海道のエゾシカ史に刻まれる「洞爺湖中島のシカ騒動」である。1953年から1965年の間に洞爺湖中島にエゾシカ3頭が持ち込まれて放された。メス2頭(うち1頭は妊娠)、雄1頭である。これら「3頭のシカは天敵のいない島で爆発的に増え、1983年には100倍になった。しかし、生存できる限界密度を超えたために、餌が食べつくされ、大量のシカが冬に死亡した」(東京法令出版株式会社 ビジュアル生物 P.158より引用)。島の森林植生は劇的に変化、シカはその後も爆発的増加と群れの崩壊を繰り返し、島の自然とシカの管理の在り方を巡って、30年を超えての様々な議論が行われてきた。

(参考文献:財団法人 北海道新聞野生生物基金 北海道ネーチャーマガジン「モーリー」No.25


一つの島に、たかがエゾシカ2頭。されど、エゾシカ2頭なのである。彼らは増えるかもしれない。そうなれば、洞爺湖中島と同じように国後島の植生に大きな影響を与えることは間違いないと思われる。