その名は「OSO(オソ)18」


「OSO(オソ)18」その名は新聞でも見た!テレビでも見た。罠をかいくぐり、闇夜に紛れて獲物を狙うヒグマの名前だ。

浜中町霧多布で見た電気柵の写真
浜中町霧多布で見た電気柵

北海道の標茶町と厚岸町で2019年以降、大型のヒグマが放牧中の乳牛を襲い続けているというのだ。これまでに65頭、この内31頭が死んだという。まずは襲われた牛たちが哀れでならない。足跡からの分析で体長2メートル、体重300キロを超える10歳以上の雄グマと推定されている。箱罠を各所に仕掛けても、その横を素通りしていく。今は一頭だが、「OSO(オソ)18」が襲った死骸から、他のクマが牛の味を覚えれば第2。第3の「OSOオソ」が生まれる可能性もある。酪農家にとっては深刻な脅威だ。


まずは襲われた牛たちが哀れでならない。足跡からの分析で体長2メートル、体重300キロを超える10歳以上の雄グマと推定されている。箱罠を各所に仕掛けても、その横を素通りしていく。今は一頭だが、「OSO(オソ)18」が襲った死骸から、他のクマが牛の味を覚えれば第2。第3の「OSOオソ」が生まれる可能性もある。酪農家にとっては深刻な脅威だ。


原因として考えられるのが、かつて行われていた「春グマ駆除」の廃止。保護に向けた機運の高まりの中、1990年に廃止されたことで、減少した個体が回復。それから30年間でほぼ2倍の6600頭から1万9300程度になったとされる。農業被害額は2億4000万円。この10年で約1.5倍の増加という。本州ではイノシシが街中で人を襲う。JR北海道釧路支社は、シカとの衝突を避けるための非常ブレーキ作動を繰り返し行ったことが原因で、車輪に安全走行のための基準値を超えた傷が見つかり、修理のために花咲線と釧網線の上下計51本を運休するという。野生の者たちとの付き合い方は今のままでいいのだろうか。(参考資料:読売新聞2022.11/8 11/9朝刊)


<追記>2023.8.23(水)

報道によると「OSO18」が釧路町(仙鳳趾村せんぽうしむら)オタクパウシの放牧地で仕留められた。仕留めたのは釧路町役場職員のハンター。体長は2.1m。体重は推定330㌔。前足の幅は20㌢。北海道新聞に掲載された酪農学園大の佐藤喜和教授の談話によれば「オソが牛を襲うようになった背景には近年のエゾシカの分布拡大があるという。主食である山の草木がシカに食い荒らされて餌が減ったほか、車や列車事故で放置されたシカを食べて肉食化が進み、やがて牛を襲って食べるようになったとみられる。対策をとらなければ道内のどこでも第2、第3のオソが生まれる可能性がある」とのこと。安心はできない。