「めんどくせい、ことだな」と思いながらも。「生きるとは何か」を。


「日高の動物記」を読んだ。ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、タヌキ、川にはマスやサケ、空にはタカやハヤブサなど、日高山脈の豊かな自然環境で生息する動物たちに焦点を当てた10年以上にわたる観察と記録だ。

著者は桑原康彰氏。


撮影:西興部村前村長 高畑氏
撮影:西興部村前村長 高畑氏

シカ猟の際、山中に迷い込み、飼い主ハンターを探して山野をさまよう猟犬。この忠実で可愛い犬が野犬となり、集団となってエゾシカを襲い食べるなんてことは、大都市で文化的な生活を送っている私にとっては、衝撃的なことである。


そう言いながら、誰かが殺した牛肉や魚肉を毎日、何も考えずに食べている私がいる。呑気なことだと思う。



エゾシカに目覚め、シカ情報を集めているうちに、「生きるとは何か」という本質的な問題を考えるに至った。「めんどくせい、ことだな」と思いながらも、こんな心境になったのは、エゾシカ倶楽部のお陰である。 


追記:

 この度、「日高山脈、襟裳岬」が国立公園に指定された。桑原康彰氏の著作「北海道の動物記」「日高の動物記」は、日高山脈の東側の部分の自然や動物の実態を著している。国立公園指定に当たっては、当該著作が参考資料の一つになったのではないかと推測する。この山脈で生活していた方々に、直接取材して収録した54話は、貴重なものであり、桑原氏の熱意には、唯々敬服するばかりだ。それにしても、動物の実態を調べるために日高山脈に別荘を建てて、住み着く人がいるとは、世の中には凄い人がいるものである。(法元盛信)