• ホーム
  • 団体概要
  • サイトマップ 
  • 活動記録
  • エゾシカセミナー3連続講座
  • エゾシカフェスタ
  • 捕獲・ハンター
  • 生物多様性
  • 会員レポート・構想
  • 人獣共通感染症
  • シカと森林
  • エゾシカA to Z 
  • エゾシカ衝突事故
  • シカ肉
  • シカ角
  • シカ皮講座(竹之内一昭)
  • 鹿と漢方
  • シカ皮・革
  • エゾシカ先進地情報
  • 鹿プロ
  • ブログ
  • 問い合せ先
  • リンク集
  • 環境報告書展2023特設会場

◆◆◇印伝との出合いと甲府の想い出◇◆◆


北海道エゾシカ倶楽部会員  小林 孝子


印伝のトンボ柄がま口の写真
トンボ柄がま口

 もう20年以上も前のこと仕事上の先輩で山梨県甲府市に住む友人からある日贈り物が届いた。

何だろうと包みを開けると印伝の財布が2点入っていた。一点は黒地に幾何学模様の漆の赤で模様を施したもの、もう一点は青地に同じく漆の黒で模様を施したものであった。それは単に財布というより落ち着いた色彩が施された中にも光沢を放った美術工芸品のような感じで品格が漂いしばらく見つめていたことを想いだす。


 それから暫くして友人宅のある甲府市に旅行をすることになり、札幌から空路東京を経て静岡県沼津市に一泊し、翌朝車で甲府へ向かった。途中、富士山の伏流水が湧き出た忍野八海や絶景山中湖と富士山を感激の思いで眺め、昼食時には武田信玄公が野戦食にしたと伝えられている山梨を代表する郷土料理「ほうとう」を味わった。ちなみに、「ほうとう」は幅広の生めんに南瓜や季節の野菜、竹輪、揚げ、肉類などを入れて煮込み、味噌で味付けした煮込みうどん。炭水化物・蛋白質・ビタミン源の野菜・発酵食品の味噌を集結した温かい一杯がひと働きさせてくれそうな元気のでる美味しい食べ物だった。再び車を走らせ夕方近く甲府に到着すると、職場関係の女性職員が集まり合計10人程度で懇親会を開いて下さったのも私には思わぬハプニングでうれしく楽しかった。

 友人宅でも心のこもった歓待を受け、快晴の翌朝、甲府を見渡す絶好の場所があるというので行って見ると甲府市街とその彼方に脈々と連なる南アルプス連邦が見えた。

 3000m級の高峰が連なる山脈と甲府盆地の眺望は前日見た富士山とは全く違う眺望絶佳の光景で美しい日本を感じさせた。

アルプスの山の中には日本鹿が多数いて環境改善のため対策がとられているとのことでもあった。 


南アルプス連峰と甲府市街の写真

 

 

 

南アルプス連峰と甲府市街



 

 その後、郷土の英雄武田信玄公を祀る「武田神社」を参詣し、国の特別名勝「昇仙峡」で遊び、 ミレーの美術館といわれる「山梨県立美術館」で“種をまく人”、“落穂拾い”を鑑賞したりなどして楽しい一日を過ごした。       

山中湖と富士山

 

 

 

山中湖と富士山



 また、出逢う人々がスピーディに話す甲府弁が面白く、楽しく、温かく、いいなぁと思ったことと、喫茶店では店で飼っているらしいシックな染物のような黒と赤茶の色調の甲斐犬が親しげに寄ってきてコーヒーについていたクリームをジーと見つめるので舐めさせたのも楽しい出来事だった。

 甲斐犬は気性激しく、飼い主にのみ心を許し、尽くし、命がけで守り抜くという性格なのだそうだが出逢った犬は穏やかで静かな雰囲気の持ち主にみえた。天然記念物だそうで成る程、格調と毅然たる凛々しさを感じさせる犬でもあつた。

惹きつけられる魅力を感じ犬を飼うなら絶対甲斐犬!と思ったほど格好良かったが諸般の事情で実現していない。


 

甲斐犬 

気位が高く他人には決して媚びない

武田神社の写真
武田神社


 あっという間に時は経ち、帰札の時間がきて甲府駅に着くと既に東京行き「あずさ2号」がホームに入っていた。車内は満員状態、座席確保に動く私たちを目で追いながら最後まで見送ってくれた彼女も移動しているのが見え、やっと手を振りかけたとき列車は動き始めてこれが彼女との最後の別れとなってしまった。

 こうして、20年以上も前のことを比較的容易に思い出すことが出来たのも素敵な印伝との出合いと数年前に世を去った先輩の導きであったかも知れない。

豊かな歴史、諸文化、自然、動物、人々 … 美しいものを沢山見せてくれた山梨県甲府ありがとう、と今改めて振り返る。


 

 

  山梨県立美術館

山梨県立美術館の写真
種をまく人(ミレー)の写真

 

 

種をまく人(ミレー)



 さて、贈られた印伝の財布は日常遣いなんて勿体なくてできないという気持ちだったが、結局、通勤鞄に入れ毎日持ち歩いた。赤くて美しい財布は持っているだけで楽しい。ある日、漆の模様が欠けていることに気がついた。大切なものを傷つけてしまったような思いで反省し、本棚の引き出しに保管して時には見たり思い出したりしているだけの状態が続いていた。これからは私と印伝を結び付けてくれて甲府の地で永遠の眠りについたやさしく、親切だった先輩と共にあるべく身近に持ち続けたいと思う。 


 

 

23年目の印伝革財布



 甲州印伝とは山梨県に400年以上に亘り伝承されてきた鹿革に漆で紋様をつけた伝統工芸品で戦国の頃は鎧、兜、胸あてほか武将の装具に利用され、武士はこれらの装具をつけて「われ出陣に憂いなし」と奮い立ったのでありましょう。

 そして、江戸時代、明治時代を経て時代のニーズに応えながら今ではかばんや小物入れ、名刺入れ、ベルトほか主に生活必需品の作成に移行しているということである。また、地元専門家の話によると甲州印伝がこの地で長きに亘り継承できたのは甲府盆地が高温多湿で、甲州漆が乾く良い条件があったのがよかったという。甲府は山国、往時は山を越え行きかう人々の買い物の場所であり印伝の店舗、工房が軒を並べていたが今はそれらの工房や店舗は一軒のみとなってしまったそうである。生活必需品と伝統工芸を両立させ文化的資産ともなっている甲州印伝がこれからも時代を超えて長く継承されていくことを願う。              

 当倶楽部はエゾシカ革の利活用を活動目標の一つとしているが、この度、甲府の伝統工芸品となっているシカ革を加工した印伝の作品が話題となり自らも所有している印伝革財布を思い出し、当時の想い出を旅の想い出と共に記してみた。        H 31. 1  


シカ皮・革

関連情報
ホーム
  • シカ皮有効利用に向けて
  • エゾシカ革加工・親子体験講座 in2024
  • エゾシカ革の魅力 菊地隆
  • エゾシカレザーとビーガンレザー
  • 循環型社会におけるエゾシカの皮革利活用
  • エゾシカ皮利用 2014.6.15
    • 印伝との出合いと甲府の想い出
  • エゾシカ皮の魅力!縄文太鼓演奏会
  • エゾシカ革を買いました
  • 購入した革は三方から撃たれていた
  • エゾシカ皮と北海道そこから生まれるエシカルライフ
  • 北海道のシカ革デザイナー
  • 「エゾシカ皮の活用・エゾシカ猟(竹之内一昭)①

             

公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子

                          060-0808 札幌市北8条西3丁目 札幌エルプラザ2階                                     

                                                     TEL :011-728-8300 / FAX 011-728-8301         E-mail:ezoshika_club@yahoo.co.jp

プライバシーポリシー
Copyright(c) 2013 北海道エゾシカ倶楽部 All rights reserved
ログイン ログアウト | 編集
  • ホーム
    • 最新情報一覧
  • 団体概要
    • 代表ご挨拶・役員紹介
    • Club's Profiie
    • 札幌市のSDGsへの取り組み
  • サイトマップ 
  • 活動記録
  • エゾシカセミナー3連続講座
    • エゾシカと納豆2015.5.30
    • エゾシカ皮から膠を作る
    • 身近な生活にエゾシカ皮を!
    •  オオカミと日本文化
    • あそビバ!エコプラザ 2020.1.11
    • お手製カルタ人気!道立博物館出展
    • 高校でエゾシカ講座
      • 平成25年度 エゾシカ倶楽部活動一覧
    • エルプラまつり 2017.9.9
      • エルプラまつり 2016.9.10
      • 2013.9.7 エルプラまつり
  • エゾシカフェスタ
    • 第7回エゾシカフェスタ2019①
      • 第7回エゾシカフェスタ2019②
      • 高校生のボランティア感想
    • 第6回エゾシカフェスタ2018①
      • 第6回エゾシカフェスタ②シカ増加は空飛ぶ鳥にまで
    • 第5回エゾシカフェスタ2017
    • 第4回エゾシカフェスタ2016
      • エゾシカフェスタ2016②
    • 第3回エゾシカフェスタ2015 ❶
      • エゾシカフェスタ2015❷道庁
      • エゾシカフェスタ➌アイヌ文化
      • エゾシカフェスタ2015➍
      • エゾシカフェスタ➎反省会
    • 第2回エジシカフェスタ
      • 2014.10.27伊吾田宏正准教授のお話から
      • 10.27 アルバム❶
    • 第1回エゾシカフェスタ2013 10.26 特集
      • 2013.10.26 パネルディスカッション
      • 10.26アルバム
      • エゾシカフェスタ・アンケート結果
  • 捕獲・ハンター
    • ハンターに聞いてみよう!エゾシカのこと
    • 知ってますか?ハンターのこと
      • エゾシカ猟シーズン終了!統計データによる事故分析
    • 「狩猟者の現状と今後の野生鳥獣対策」
    • ハンター 林 豊行氏ブログ
      • メスのエゾシカがオス化?
    • 変形角(坂本達也氏)
    • エゾシカ捕獲の課題とは?
      • 野生動物を安全に食するための法令等
      • 北海道エゾシカ対策推進条例
      • 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
      • ジビエブーム到来か。国が衛生指針
  • 生物多様性
    • 気候変動が変える。生き物と私たちのくらし
    • 野生動物と地域社会の未来
    • 人類の前に立ちはだかるもの感染症
    • 私たちのくらしと生物多様性(札幌市講座)
    • 生物多様性の危機!
    • 人は街で、ヒグマは森で(ヒグマ講座)
    • 流行語大賞「OSO18/アーバンベア」トップ10入り
      • 「モーリー」編集長が語る魅惑の北海道
    • エゾシカ猟が原因!猛禽類が鉛中毒に
      • エゾシカ増加がワシ達にもたらしたもの
    • 後志地域生物多様性協議会の取り組み
      • 環境DNAを用いた生き物調査
      • 後志地域生物多様性協議会 2017年
      • カラスの誕生とその顛末
  • 会員レポート・構想
    • なぜ、シカは鉄路に侵入するのか
    • エゾシカを知り共生を考える
    • 地球温暖化でエゾシカはどうなる?
      • エゾシカはもはや可愛いバンビではない
      • エゾシカ随想「究極の地産地消」
    • エゾシカ猟「狩猟特区」の構想
    • スポーツハンティング構想
      • 霧多布湿原でエゾシカと出会う 2016.3.25
      • エゾシカモニターツアーに参加しました
      • 生物境界線黒松内低地帯日帰り紀行
  • 人獣共通感染症
    • 食品衛生上の諸問題
    • シカ肉を安心して食べるための知識(籠田勝基)
    • 公衆衛生上注意すべき人獣共通感染症
      • 鳥インフルエンザ!人への感染は?
      • 食品安全委ファクトシート公表
  • シカと森林
    • シカと植物(高槻氏講座より)
    • エゾシカ活用セミナー(山田晴康)
    • シカと森林生態系の話 青柳正英
    • シカが増えてヤマビル増加!
      • エゾシカの食害風景
      • エゾシカ被害状況2013.9.24
  • エゾシカA to Z 
    • 野生動物に学ぶ(小川 厳)
    • 天塩町にて。留萌管内消費者大会
    • シカの数を増やしたのは誰なのか?
    • 北緯43度は発酵ライン(永田吉則氏)
    • エゾシカと納豆セミナー
    • エゾシカの裏と表(菊地隆)
      • 北海道新聞の注目記事
      • 小さな町が挑んだエゾシカ大事業
    • 北海道のエゾシカ対策2014. 7.15
      • Study meeting report in 2014
    • 驚きのエゾシカ事情 2013.7.18
      • Study meeting report in 2013
  • エゾシカ衝突事故
    • 「動物注意」道路標識の謎!
      • アナタを救う保険はコレだ!
  • シカ肉
    • シカ肉料理の魅力を味わう!
    • 蕎麦とシカ肉の調理実習
    • 北海道の衛生処理マニュアル&処理施設認証制度
    • もっと知りたい!エゾシカ肉 2015.3.23
    • 居酒屋店主が指南!旨さ抜群シカ肉調理
    • これぞ最高!ハンター松前の猟師めし
    • 三笠高校レストランにて
    • 風の街 苫前町でエゾシカイベント
    • 鹿肉の栄養価について
      • エゾシカと認知症
      • 軽部光の健康教室(エゾシカよ!役立て!)
    • NHKほっと中継 2018.11.12
    • NHKライブ北海道
      • 2014年「今年の一皿」はジビエ料理
      • 2017会員のための料理研究会
      • 2014.会員のための料理研究会
      • 2013会員のための料理研究会
      • 白石区・豊平区合同地区活動
      • Venison Restaurant Guide 「Nakamachi-Gabacho」
      • 「Nakamachi-Gabacho」
      • エゾシカ料理&国際交流会
  • シカ角
    • エゾシカを見たい!オーストラリアからお客様
      • オーストラリアと北海道のシカ事情
      • オーストラリアのシカ写真
    • 「アメリカ鹿事情」&「クラフト教室」
    • シカ角と黒曜石で北の文化を提案Gyusup(in USA)
      • 白滝村の黒曜石は世界一。Mr.Josephと行く!
      • シカ角とクラフト講座準備始める!
      • シカ角工芸を楽しむ
      • シカ角加工教室に参加
      • シカ骨・歯・爪
  • シカ皮講座(竹之内一昭)
    • シカ皮の鞣し(竹之内一昭)②
    • 学術レポート
    • 古代の鹿革製品(竹之内一昭)③
    • 中世・近世の鹿革製品(竹之内一昭)④
    • 正倉院の鹿毛筆(竹之内一昭)
    • 鹿毛の筆(竹之内一昭)
      • エゾシカ皮の活用会員向け講座(竹之内一昭)
  • 鹿と漢方
    • レシピなし!ぶっつけ本番!鹿肉水餃子
    • 堀田式 新型コロナ対策
    • エゾシカは生薬の宝庫!(鄭権)
    • 漢方薬!エゾシカの角と角からとれる膠
    • シカと漢方薬講座(鄭権)
    • シカは「薬」として使えるのか?
  • シカ皮・革
    • シカ皮有効利用に向けて
    • エゾシカ革加工・親子体験講座 in2024
    • エゾシカ革の魅力 菊地隆
    • エゾシカレザーとビーガンレザー
    • 循環型社会におけるエゾシカの皮革利活用
    • エゾシカ皮利用 2014.6.15
      • 印伝との出合いと甲府の想い出
    • エゾシカ皮の魅力!縄文太鼓演奏会
      • エゾシカレザーで素敵なペンケース製作体験
      • 素敵なエゾシカストラップ講座
      • 2017エゾシカ皮でストラップ講座
    • エゾシカ革を買いました
    • 購入した革は三方から撃たれていた
    • エゾシカ皮と北海道そこから生まれるエシカルライフ
    • 北海道のシカ革デザイナー
      • 菊地 隆
      • 北海道ジビエ・狩猟フォーラム
      • 展示会での菊地氏
    • 「エゾシカ皮の活用・エゾシカ猟(竹之内一昭)①
      • 高倉 豊
      • 原 ななえ
  • エゾシカ先進地情報
    • 西興部村のエゾシカ対策
    • ガイド付きハンティングで地域おこし
      • 西興部村猟区における地域管理の取組みを聴く
    • エゾシカ対策の先進地西興部で学ぶ2016(前編)
      • エゾシカ聖地西興部でシカ肉パーティ
      • 西興部村で解体所見学
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く 2014❶
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く②
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く③
      • 「エゾシカ聖地」西興部へ行く④
      • 滝上町で試食会アンケート西興部村より
      • 新会員森裕子が見た!西興部2018
    • 当別町から
    • トップアスリートを町ぐるみで育む町
      • 環境未来都市からSDGs未来都市へ!下川町のエゾシカ対策
      • 下川町長 谷 一之氏
      • 下川町で「美味しいエゾシカ話」
  • 鹿プロ
    • クオレ三線工房「えぞ三弦」
      • 鉄板串焼店「仲町ガバチョ」
      • シカ肉料理食べある記〈罠」
  • ブログ
  • 問い合せ先
  • リンク集
    • シカ写真集
      • 山田貞司氏
  • 環境報告書展2023特設会場
  • トップへ戻る
閉じる