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花の都!札幌の街中にキタキツネが!キツネ画像はBingチャットで!


「Bing チャット」作成画像「街中を歩くキツネ」
「Bing チャット」作成画像「街中を歩くキツネ」

花の都「札幌」の街中で、キツネに出会うとは思わなかった。最近、数人から目撃したと聞いてはいたが、聞くと見るでは驚愕度が違う。カラス、シカ、クマだけでは足りず、キツネまでもが人間の生活圏に入り込み、我がもの顔で悠々と歩いている。キツネには、エキノコックスの寄生虫が付託している場合があり、他の動物とは違った怖さがある。 


旭山動物園の坂東園長の言葉が頭をよぎる。「人の生活圏に一旦、足を踏み入れた野生動物は、どんどん侵入してくる。人間と野生動物との関係は陣取り合戦。こちらが退けば、その分距離を詰めてくる。彼らとの市街戦になれば人間に勝ち目はない。



自分たちの生活圏をどう守るか。彼らはヒトの生活圏に馴れ、自分の生活圏として取り込んでいく。

ヒトという生き物にも慣れていく。怖いものなし。

取り返しのつかない事態が忍び寄っていることに気付かなければならない。


さて、突然のことだったので、スマホは持っていたが、写真を撮り忘れた。ここに掲げた画像は、「Bing チャット」がAIで作成したものであることをお伝えしておく。


珍しいのか?エゾシカ母子2頭連れ!「種の保存」のための進化か?


西興部村のエゾシカ幼子
西興部村のエゾシカ幼子

当倶楽部には、5人のエゾシカハンターが在籍する。それぞれが仕事を持っているために、全員が顔を合わせることは滅多にない。しかし、4月の例会では道外ハンター、遠軽在住の女性ハンターを除き、3人が出席。そこで取り交わされた話題が他の会員たちの興味を惹いた。


今シーズン中に、子供を2頭連れた親が多いことに気づいた」とのI氏の発言を受けて、プロハンターのM氏が「自分も感じた」と同調。ということは…。



2頭連れ親子は、ハンターの世界でも珍しいことだったのか。しばし、プロハンターを中心にエゾシカ談議に花が咲く。エゾシカは通常1頭の子供を産むが、2頭生むことも稀にはある。栄養状態や何らかの要因で、

2頭産む確率が上がった」「2頭産んだ場合に、冬まで2頭とも生き残る確率が上がった」などなど。


2頭とも成長するとなると道庁の増加モデルに誤差が生じることになり、個体数管理にも影響が出るのではないか。今シーズンの出猟報告からどのような結果が導き出されるのか注目していきたいところだ。ちなみに。

 

道庁資料(令和 41226 日 確報)によれば、

2021年度(令和3年度 )エゾシカの推定生息数は69万頭。 

当倶楽部発足の2013年度(平成25年度)の推定生息数は70万頭だった。


<寄せられたコメント>

仮説として色々な可能性と驚きもあると思います。 もともと2頭産む、又は、双子を産む遺伝子を持つメスは一定数いたとして、温暖化により越冬が楽になり、又、 餌が容易に手に入るようになり、そのDNAをもつメスが残れるようになった。その子供たちも遺伝子を引き継いでいくことで、今後の生態系にも係わってくるのではないかなと思います。僕は 進化の可能性もあるとしたら、環境が遺伝子を変化させることもあるのかもしれない気がしています。種的に狩猟動物であることで種を残していくための進化だとしたら、それはまた新しい発見なのかもしれませんね!そもそも生物学上捕食される生物達はたくさんの子供たちを産みますから。

                                  (エゾロダクト代表:菊地 隆)


ドロップネットってなに?


有害鳥獣による農作物被害に悩む自治体は多く、被害を減らすための防止策として様々な捕獲方法が試行されているようだ。最近の新聞で、長崎県〇〇市がイノシシやカモの捕獲網「ドロップネット」を活用していることを知った。同市では、麦やブロッコリーの畑をカモが食い荒らす被害が増えている。これまでは、猟銃による駆除が中心だったが、県内の猟銃期間は11月から2月迄のため、それ以外の期間は被害が拡大する。そこで、通年利用できるドロップネットに期待が高まっているのだと記載されていた。



ドロップネットとは、これまで耳にしたことが無い言葉だが、シカ捕獲に対しても活用事例はあるのだろうか。ネット検索(下記)で分かったのは、支柱の上に網を張り、目的の動物が網の下に来た時を見計らい、上から遠隔操作で網を落として捕獲するという仕掛けだということ。囲いわなの一種であるらしい。気になるシカ捕獲についても既に何年も前から試されていることが分かった。ワナが作動した後に網が巾着状に絞られ、捕獲されたシカを絡めとる。ハンター不足の昨今、資格や高度な技能を要せず、誰でも繰り返し捕獲できることがメリットだという。


一方、網で包まれたシカはどうだろう?網でグルグル巻きになっては逃げるに逃げられず、もがけばもがくほど網は身体に絡みつくことも考えられる。苦しみながらも生きているシカは、その後、撲殺されるのだそうだ。あまりに非情な捕獲法ではないか。

私たちは、仲間のハンターから「狩猟の作法」という言葉があることを学んできた。動物の殺生にあたり、作法は沢山あると聞く。その第一は「クリーンキル」。できるだけ苦しめない捕獲が理想であり、そのために、心あるハンターは、狙撃ポイントを「一撃」で仕留めるための修練を積んでいるのだと聞いている。



昔は「神の使い」とも言われ、崇められていたシカたち。増えたばかりに害獣といわれるようになってしまったが、昔も今もリスペクトされるべき命であることに変わりはない筈だ。 

 

遠隔操作できるドロップネット方式によるシカ捕獲装置 - 兵庫県立工業技術センター (hyogo-kg.jp)

兵庫県 新型シカ捕獲装置(ドロップネット)の問題点と利点 - 姫路猟友会 (3zoku.com)


環境省 クマを撃退・捕獲できる人材育成に着手!


クマの足跡 苫前町 林 豊行氏撮影写真
クマの足跡 苫前町 林 豊行氏撮影

「クマ駆除 民間頼み脱却を」

 17日の本紙朝刊「記者の視点」を読んだ。ヒグマの生息数増加に対処するため、民間の猟友会頼みから脱却し、駆除を専門に行う「公務員ハンター」を検討すべきではないかとの提言にまったく同感である。

 ヒグマの出没は道内各地で相次いでおり、人間の生活圏に足を踏み入れるとなかなか後戻りすることはないと聞く。ところが野に棲むものと人間の境界を守るための「頼みの綱」であるハンターは高齢化が進んでいるのだ。2019年に日本学術会議が示した「人口縮小社会における野生動物管理の在り方」という文書によると、野生動物管理の公開講演会に参加した全国各地の行政関係者47人のほとんどが「鳥獣専門職員の配置が市町村・都道府県に必要」と回答している。

 各自治体に専門的知識に加え、狩猟免許を持つ職員の配置が求められている。そのためにも野生動物の保護・管理を担う人材を大学などで養成する仕組みが必要ではないだろうか。(当該文章は、筆者が北海道新聞「読者の声」に投稿し、2021年1月25日(月)に掲載されたものである)



それから2年。  

2023年1月25日(水)。読売新聞朝刊に「クマ出没対策 人材育成」との見出しが躍った。報道によれば、環境省が全国各地でクマが住民に危害を加える事例が増えているとして、ついに市街地での出没に備えた対策に乗り出したという。環境省によるとクマの出没件数は、2009年度が約4800件、20年度には2万件を超したという。既に22年11月から市街地対策を確立するためのモデル事業を始めた。対象は北海道、岩手、新潟、長野、福井奈良6県。3ヵ年で行政と警察などの関係機関で連絡体制をつくり、クマを撃退・捕獲できる人材育成を進める。今春にも専門家を派遣するなどして、自治体の取組みを支援するとのことである。遅まきながら、まずは一歩前進か?


国連の生物多様性条約第15回締約会議(COP15)での新目標「30 by30」


12月にカナダで開かれた国連の生物多様性条約第15回締約会議(COP15)で、2030年までに達成すべき新たな国際目標が採択された(2023.1.14 読売新聞朝刊)。新目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」に、9/21ブログに書いた30 by 30(サーティ・バイ・サーティ)」が盛り込まれた。しっかり確認しておきたい。


画像出典:当HP 「私たちのくらしと生物多様性」

札幌市講座(2017.2.22)より転載

地球上には、知られているだけで約175万種、未知のものも含めると3,000万種もの生物が生息している(環境省HP)。様々な生物がいることを生物多様性といい、人類もその一つ。生き物は他の生き物とつながることでしか生存できない。人類はその最たるものだ。生きるために必要な水も空気も食料も彼ら無しには得られない。その貴重な植物、そして動物たちに今、絶滅の危機が迫っている。しかも、その絶滅速度は「過去1000万年の平均と比べて、数十から数百倍に加速しているという。出典:生物多様性(外務省)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html   



2019年。国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間-科学政策プラットホーム(IPBES)が、世界で約100万種の動植物が絶滅の危機に直面しているとの評価報告書を発表。「人類史上いまだかつてない状況に直面している」と警鐘を鳴らした。人類にとってただ事ではない。すぐにも生態系を守る行動をとらなければ人類存亡の危機に直面することもありうるからだ。だが…。

出典:JIRCASウェブサイト https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_d/blog/20190510


世間の関心は、必ずしも高くない。内閣府世論調査(2022年7月)によれば、生物多様性という言葉の意味を知っていた人は29.4%。生物多様性の保全活動に関しては、「何をすればよいのかわからない」という回答が50.7%ある。


幻の魚「イトウ」黒松内髙橋興世氏提供写真
幻の魚「イトウ」 黒松内髙橋興世氏提供

生物多様性の保全は、地球温暖化防止などの気候変動対策と比べ、何をすればよいのかわかりにくいという指摘は以前からあり、2010年(名古屋市で開催)のCOP10で採択された「愛知目標」では、数値目標を含む具体的取り組みを明記、2020年までを達成期限とし、「世界の陸域の17%、海域の10%を保護地域とする」「森林が失われる速度を半減させる」「外来種対策を進める」など20項目の目標が掲げられた。だが、達成された目標は一つもないまま、今回のCOP15に引き継がれ、陸と海の30%を保全することや、対策に必要な資金確保の目標額が盛り込まれたのである。

出典:愛知目標(環境省) https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/aichi_targets/index_03.html


「ブナ林黄葉」黒松内町 髙橋興世氏提供写真
黒松内町 髙橋興世氏提供「ブナ林黄葉」

30 by 30」は、「それぞれ30%以上に引き上げ2030年までに、世界の陸域と海域の保護地域をる」ということ。ハードルは高いが、これまでと違うのは国立公園、国定公園が中心だった保全地域に加え、COP15では里山や企業が所有する緑地なども含めることが可能となったことだ。具体的には、民間が管理する社有林や里地里山、企業緑地等を「自然共生サイト(OECM)」として認定し(2023年度から)、保護地域と認定地域を合わせ、30%を目指す。市民社会の力を借りようというわけだ。該当企業には生物多様性を守るための努力を期待するばかりである。



出典:COP15 生物多様性条約第15回締約国会議第二部等の結果概要(外務省) https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ge/page22_003988.html


エゾフクロウ 田原まゆみ氏写真
エゾフクロウ 田原まゆみ氏撮影

一方、国民の出番だが、先の内閣府世論調査では、「30 by 30」の取り組みについて、「保全・保護活動に熱心な企業の製品やサービスを積極的に購入・利用したい」という回答が47.2、「保全・保護活動を実施している団体・企業などに寄付をしたい」という回答も6.7あった。悲観したものでもないのではないか。

「琉球大の研究によると、30%の保全で、日本国内で野生生物の絶滅リスクは7割減るという。(2023.1.14読売新聞朝刊より引用) 

出典:「生物多様性に関する世論調査 令和4年7月調査」(内閣府) 

https://survey.gov-online.go.jp/hutai/r04/r04-seibutsutayousei/2.html


<参考ポイント>

・「COP15」とは、生物多様性条約に基づき、野生生物の保護などについて話し合う15回目の国際会議のこと。

「生物多様性条約」は1992年5月に成立。地球上のあらゆる生物と生息域を包括的に保全すると同時に生物の「持続可

  能な利用」の実現を締約国に求めていて、10年ごとに自然保護等に関する国際目標を制定する。2016年12月の時

 点で、日本を含めた194カ国と欧州連合(EU)、パレスチナが加盟している。

COP15、2020年に開催されることになっていたが、コロナ禍で延期。2021年11月に中国の昆明開かれが、

 議論は主にオンラインで進められたため、2022年にカナダで対面形式でのCOP15を改めて開き、新目標を採択した。 

COP15英語のConference Of the Parties(締約国会議)の略。


出典:生物多様性条約2010目標達成の評価(環境省自然環境局)

GBO.indd (biodic.go.jp)

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令和3年度 鳥獣被害54億5千万円


2021年度に道内で発生した野生鳥獣による農林水産業への被害は総額54億5000万円。前年度より8%増加した。この内、エゾシカによる被害は44億8000万。全被害額の8割を占める。それでもピーク時の2011年度(72億2200万円)から約3割減少し、近年は50億円前後で推移。国の交付金等を活用しエゾシカの捕獲や侵入防止柵の設置といった対策が功を奏しているようだ。


とはいえ、農林水産業に携わる方々の悲嘆はいかばかりであろうか。被害金額の多い上位3振興局は、釧路(12億8千万円)、上川(5億3千万円)、オホーツク(5億1千万円)と道東エリアが半分を占める。作物別では牧草が18億6700万円とダントツ、全体の41.7%を占める。


農林水産業は北海道の基幹産業というだけでなく、我が国最大の食料供給地域として、食料の安定供給に大きく貢献している。北海道のエゾシカ問題は局地的なものではないことを道外の方々に知っていただきたいと願わずにいられない。 出典:北海道環境生活部自然環境局



その名は「OSO(オソ)18」


「OSO(オソ)18」その名は新聞でも見た!テレビでも見た。罠をかいくぐり、闇夜に紛れて獲物を狙うヒグマの名前だ。

浜中町霧多布で見た電気柵の写真
浜中町霧多布で見た電気柵

北海道の標茶町と厚岸町で2019年以降、大型のヒグマが放牧中の乳牛を襲い続けているというのだ。これまでに65頭、この内31頭が死んだという。まずは襲われた牛たちが哀れでならない。足跡からの分析で体長2メートル、体重300キロを超える10歳以上の雄グマと推定されている。箱罠を各所に仕掛けても、その横を素通りしていく。今は一頭だが、「OSO(オソ)18」が襲った死骸から、他のクマが牛の味を覚えれば第2。第3の「OSOオソ」が生まれる可能性もある。酪農家にとっては深刻な脅威だ。


まずは襲われた牛たちが哀れでならない。足跡からの分析で体長2メートル、体重300キロを超える10歳以上の雄グマと推定されている。箱罠を各所に仕掛けても、その横を素通りしていく。今は一頭だが、「OSO(オソ)18」が襲った死骸から、他のクマが牛の味を覚えれば第2。第3の「OSOオソ」が生まれる可能性もある。酪農家にとっては深刻な脅威だ。


原因として考えられるのが、かつて行われていた「春グマ駆除」の廃止。保護に向けた機運の高まりの中、1990年に廃止されたことで、減少した個体が回復。それから30年間でほぼ2倍の6600頭から1万9300程度になったとされる。農業被害額は2億4000万円。この10年で約1.5倍の増加という。本州ではイノシシが街中で人を襲う。JR北海道釧路支社は、シカとの衝突を避けるための非常ブレーキ作動を繰り返し行ったことが原因で、車輪に安全走行のための基準値を超えた傷が見つかり、修理のために花咲線と釧網線の上下計51本を運休するという。野生の者たちとの付き合い方は今のままでいいのだろうか。(参考資料:読売新聞2022.11/8 11/9朝刊)


おっ!国産ジビエの認証マークだ!


国産ジビエの認証マーク&小嶋氏と棚川氏の写真
国産ジビエの認証マーク&小嶋氏と棚川氏

おっ!「国産ジビエの認証マーク」だ!北海道には「エゾシカ肉処理施設認証制度」が既にあるが、これは全国版。2018年に国がスタートさせた「国産ジビエ認証制度」で、使われている安心マークだ。シカやイノシシを解体処理する際、衛生管理などの基準を満たしたジビエとその加工品に対して付与されるもの。

ちなみに、国のお墨付き「シカ肉ハンバーガー」を食べた場所は、札幌市営地下鉄発寒南駅からそう遠くない西友西町店にある「ロッテリア」。美味しいから一緒に食べに行きませんかと誘ってくださったのは、NPO法人「雪氷環境プロジェクト」理事長の小嶋英生様。当倶楽部副代表の棚川伊知郎氏と共にお会いした。何というご縁だろう。棚川氏は小嶋さまの高校の後輩だった。いつも思うことだが、エゾシカが人との繋がりを広げ、人生をも広げてくれている。


標茶町でエゾシカと車の衝突事故。3人死傷!


環境生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係HPより  (出典:北海道警察本部交通部交通企画課資料)
生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係HPより (出典:北海道警察本部交通部交通企画課資料)
環境生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係HP
環境生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係

10/26。道東の標茶町でエゾシカとの衝突事故で3人が死傷したとのニュース。新聞報道には「シカに関連した事故で車両保険を支払った件数は昨年1011月は1072件、支払額は総額6億2423万円で、いずれも過去最多だった。修理費などの支払額は平均58.2万円に上った(日本損害保険協会北海道支部)」とある。


改めて道警と日本損害保険協会北海道支部のHPを開いてみた。道内でシカがからむ事故は、平成28年は1936件、令和3年は4009件。実に5年前の2倍以上に増えているのだ。


その内訳は驚いたことに一番多いのは苫小牧市で303件。次が釧路市230件、3番目は千歳市150件だ。4番目は驚いたことに札幌市で116件。5番目が根室市98件、6番目は稚内市で94件(北海道警察本部HP)。苫小牧がトップなのは、雪が少ないのでシカが増えたからと思われる。


4番目は札幌でエゾシカ事故が多くなったのは何故なのか?クマと同様に札幌でもシカが増えたのか?現在の推定生息数は69万頭。昨年より2万頭増えていた。当倶楽部は趣味でエゾシカ有効活用の活動をやっているわけではない。こうした事態を立ち上げ当初から心配していた。大都会だからと言って他人事ではすまされない。  関連記事:エゾシカ衝突事故



「30by30」再び! Tatsu Akitaさんのミツバチ写真に思うこと


写真家Tatsu Akitaさんから素晴らしい写真を頂いた。ミツバチが忙しく働く姿である。自然界の彼らが花蜜や花粉を集めるのは人間のためではない。自分たちや子供たちが生きていく為(種の保存)の食料としてだ。

 


撮影者:Tatsu Akita氏の写真
撮影者:Tatsu Akita氏

ミツバチが食べるものは2つ。蛋白源としての花粉、エネルギー源としての花蜜。花から花へと訪花活動をする中で、ミツバチは花蜜と花粉を花から受け取るが、代わりに花粉を運び、花粉の媒介をして植物の再生産を助けている。


こうしたツバチの生命活動は、農業生産の現場において、今や欠かせない存在のようだ。野生ミツバチなどの花粉媒介動物の経済効果は、国内だけで年間3300億円に上るという調査がある(2013年時点での国立農業環境技術研究所推定:平成28年2月4日プレスリリース)。


健全な生態系がもたらす価値の重要性に改めて注目。2030年までに生物多様性の損失を食い止めるための生態系保全目標30by30の議論が「COP15」において実を結ぶよう祈るばかりだ。



若さとの出会い!ホームページが繋ぐ世界


9月4日。北海道エゾシカ倶楽部には若い出会いがありました。埼玉県在住の高校3年生。当倶楽部HPを見てお便りをくれたのです。「シカと漢方」の記事を読み、心が動かされた、直接会って話を聴きたいとのこと。記事執筆者の鄭権氏と一緒に千歳空港でお会いしました。鄭権氏は(株)北海道鹿美健代表・薬学博士。当倶楽部副代表でもあります。

鄭健氏と高校3年生が出会った写真
鄭健氏と高校3年生の出会い
鄭健氏の話に耳を傾ける高校生の写真
鄭健氏の話に耳を傾ける


高校生Mさんは、自転車で日本横断、縦断を達成、旅中、道路上に残された数多くの動物死体(ロードキル)を見たことで、動物と人間の共生を深く考えざるをえなくなったとのこと。そこで出会ったのが当HPとか。「動物と漢方」を生涯の研究テーマとすべく、鄭健氏に会って相談したいと遠路はるばる来道されたのです。氏は専門的見地から色々と将来についてアドバイス。HPが繋いでいく未知との出会い。思えば当倶楽部と鄭健氏との出会いもHPを通してでした。


『神話と心話の間~揺れて存在する場所、ユウキコウジ~』


結城幸司氏は、2000年に札幌で仲間と共にアイヌアートプロジェクトを結成。現代に生きるアイヌとして、版画、ロック、語り等、様々な形でアイヌ文化の〈伝統と今〉を伝え続けている方です。2022年9月札幌茶廊法邑ギャラリーにて木版画展を開催しました。当該展に関わった当倶楽部副代表の水崎氏から、画像の紹介と共に結城幸司氏作成のシカ手拭が当倶楽部にプレゼントされました。 









再びクマ!クマは獲るもので撮るのは苦手!苫前町のハンター林 豊行氏


クマの記事を書くときに一番困るのは、肝心なクマの写真が無いことだ。文章だけでは読んで貰えないというのが辛いところ。やむなく無料イラストから探し出しているのだが、迫力に欠けることも事実。こんな時、お世話になるのが苫前町のハンター「林 豊行氏」だ。今回もお願いしてみた。帰ってきた返信は「私はハンターという立場から、クマは獲るモノで撮るのは不得手」というもの。それでも送ってくださった!

傷あるクマの写真
傷あるクマ。
苫前町山間部国道のクマ写真
苫前町山間部国道のクマ

この写真は、我が町山間部の国道で道路維持の方が撮ったものです。同時間に撮ったものですが、ガードケーブルに前足をかけたヒグマの首の部分には、他のヒグマと戦った傷らしき痕があり、右手をよく見ると通常ではあり得ない形状が分かります。

珍しい写真だと思います。

(苫前町ハンター 林 豊行氏コメント)



クマの市街地侵入!仙台駅前の街路樹に登っていた!


仙台駅前の街路樹にクマが登っていた!数日前のテレビニュースには本当に驚いた。

或る日、突然の出来事で知るのだ。思いがけない速さで、いつの間にか野生が人間界に静かに近づいていたことを。


2022年9月18日の読売新聞が報じた記事を北海道の現状況として記録しておきたい。



    列車がヒグマとぶつかったり、衝突回避のために徐行した回数が2021年度は過去最多の68件(JR北海道のまとめ)。こうした件数は年々増加している。8/28には、札幌行き特急『宗谷』がヒグマとぶつかり、死体回収などのために列車は3時間20分遅れた。(18面)


    19面の記事見出しは「要注意ヒグマ7頭生存」ある。知床半島のヒグマ推定生息数は400 500頭。その内、要注意問題個体は、37頭と特定。その内、30頭が駆除され、7頭が生存していることが知床財団と北海道大の調査で明らかになった。これらのヒグマは、市街地にしばしば出没したり、農作物や水産加工場に侵入、水産加工物を食べ、ゴミをあさったりして人と接触する危険度が高い。7月には、18年から民家の飼い犬を襲い続けたとみられる雄グマが捕獲された。「専門家からは『知床半島全体で対策をとっていく必要がある』などの意見が出ている。知床財団、北大の調査の継続は未定だが、道自然環境課は『予算確保に努力したい』との考えを示した」。


守れ!生物多様性。「30by30」。自然共生サイト「OECM」


地球上の様々な生物を生息環境と共に保全することを目的とする「国連生物多様性条約」の第15回締約国会議(COP15)が12月にカナダのモントリオールで開催される。


ショウリョウバッタ(Tatsu Akita 氏撮影)の写真
ショウリョウバッタ(Tatsu Akita 氏撮影)

生き物の絶滅スピードが加速している。

現在は、過去1000万年間の平均の数十~数百倍

環境省HPによれば、日本の生物多様性は4つの危機に曝されている。

    開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少

    里地里山などの手入れ不足による自然の質の低下

    (シカやイノシシも関係)

    外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱 

    地球環境の変化による危機  



どれをとっても人間活動が関わっている。COP15では、生物多様性の損失を食い止める効果的で緊急の行動を各国が実施し、国際目標30by30(サーティ バイ サーティ)」の採択を目指す。これは、2010年に名古屋市で開かれたCOP10で、2020年までに達成すべき20の個別目標を掲げた「愛知目標」に代わるものである。

「30by30」とは、陸域と海域の面積をそれぞれ30%以上保全し、陸と海の生態系を一体的に守る。

  By は、期限を示す「30年まで」の意味。ちなみに日本は現在、陸域20.5%、海域13.3%が保全されている。


当目標が実現できれば、生物の絶滅リスクを3割程度減らせるという。国立公園や国定公園などの保護地域を広げられれば到達しそうだが、地権者等の意向もあり、簡単ではない。そこで、国は民間が管理する社有林や里地里山、企業緑地等を「自然共生サイト(OECM)」として認定し(2023年度から)、保護地域と認定地域を合わせ、30%を目指す。民間や市民社会の力を借りようというわけだ。認定されれば、生物多様性の維持に協力的と評価され、投資を呼び込める可能性もあるという。


「自然共生サイト(OECM)」候補地の例は、・里地里山・企業の水源の森・ビオトープ・ゴルフ場・スキー場・研究機関の森林・遊水地・河川敷・屋上緑地・社寺林など。


人間が食料や医薬品、エネルギーなどに利用している野生生物は約5万種。絶滅が危惧される種は3716種。今後も同様の恩恵を野生生物に望むであれば、人間は何としても生物多様性の維持に努めなければならないだろう。

 

参考資料:環境省HP 30by30|環境省 (env.go.jp)、 読売新聞(2022.8.23朝刊 


「シカ注意!エゾシカ看板」新情報!


「動物の飛び出し注意を呼び掛ける警戒標識」について「北海道にはエゾシカしかいないのに、標識にあるイラストのシカ角の向きが逆ではないか」との質問にお応えした記事を掲載(2021.7.6)。その中で、日本の道路標識は国連で定められたものを使用(国連標識)している。なので、シカの図柄は日本のシカをモデルにしていない。しかし、道内に於いては、数年前から新しく設置する場合には、シカ角の向きを変えるようになっているため、次第に更新されていく(札幌市開発局)。と書きましたが、いよいよ、その時がきたようです。                      関連記事:「動物注意」道路標識の謎

 


撮影者 板倉修一氏
撮影者 板倉修一氏

5/25から帯広・釧路・北見に出張していましたが、以前、WEBページの記事になっていた「鹿注意」の看板で面白いものを見つけました。 


道東自動車道の芽室手前あたりと道央自動車道の旭川鷹栖付近では、鹿注意の看板の鹿角がエゾシカの角に修正されていました。(古い看板の鹿の頭の部分に上からシールが貼ってあります。) 



道央自動車道の深川付近では新設されたエゾシカバージョンの看板もあります。 

一方、旭川紋別自動車道は、現在も古い国連標識のままでした。 

順次、看板の角がエゾシカになっていくとすると自動車道で3種類見られるのは今だけかもしれません。

 エゾシカ情報については、看板一つとっても面白いですよね。but車の窓ガラスが汚れており、綺麗に撮れなかったのが残念!

 当情報を呼び水に、道民の方から「ここも変わっていた」みたいな情報が集まると面白いなあ!

エゾシカ情報は角1つとってみても奥深し…ですね。 (板倉修一)


白い動物たち…アルビノと白変種


4月定例会では、会員の森 裕子氏がミニ講座を行いました。

テーマは「白い動物たち…アルビノと白変種」です。


森裕子氏の写真
森裕子氏


1.真っ白いエゾシカ出現


2021年5月10日の北海道新聞に、4月下旬に手塩町で、全身が真っ白なエゾシカを、自然保護に携わるNPO職員が撮影したとの記事が載りました。近年の白いエゾシカの記録を調べてみました。

①  2011年4月7日、鶴居村で撮影された白いエゾシカの姿が、北海道新聞動画ニュースで配信

②  2017年5月初山別村の牧草地で目撃情報

③  2020年4月15日北海道新聞朝刊にカラーで掲載。②と同一個体か。

④  2020年4月初山別村でオスの個体が撮影される。

⑤   2021年4月23日天塩町内で10頭ほど群れに、1頭の真っ白いメスが目撃、撮影される。


2010.5.13 苫前町在住ハンター 林 豊行氏撮影の写真
2010.5.13 苫前町在住のハンタ― 林 豊行氏が撮影

 ①2011年4月7日、鶴居村で撮影された白いエゾシカの姿

 が、北海道新聞動画ニュースで配信

 

②  2017年5月初山別村の牧草地で目撃情報

 

③  2020年4月15日北海道新聞朝刊にカラーで掲載。②と

  同一個体か。

 

④  2020年4月初山別村でオスの個体が撮影される。

 

⑤   2021年4月23日天塩町内で10頭ほど群れに、1頭の

  真っ白いメスが目撃、撮影される。



2.真っ白いエゾリス騒動


ここで思い出したのは、以前、帯広畜産大学で発見されニュースになった白いエゾリスの事でした。


音更町在住 田原まゆみ氏撮影の写真
音更町在住 田原まゆみ氏撮影
音更町在住 田原まゆみ氏撮影の写真
音更町在住 田原まゆみ氏撮影

帯広畜産大学で白いエゾリスが発見されたのは2017年のこと。このときはマスコミの取材に対し、当時の副学長、野生動物管理学研究室のやな川先生が「2017年春生まれの雌です。30年ほど大学にいますが、完全なアルビノのリスを見るのは初めてです。」と話し、大学の総務部が構内のマップ図を提供し、目撃しやすい場所まで教えてくれていました。



3.真っ白い動物たちと人間の関わり方


しかし、その後、大学に写真愛好家などが押しかけ、木の上にいるリスに石を投げて下におろそうとする、餌付けしようとする、巨大な望遠レンズを構え続ける、大学生に因縁を付けるなど、一部の人たちが迷惑行為をして大きなトラブルになったことが報道されました。

実は、2005年にも道民の森で白いリスの撮影に成功したことが新聞に載っていましたが、この時は稀少動物保護のためにあえて、本当の撮影場所とは別の場所を掲載した可能性があるとされていました。 

 

これらのことは、珍しい動物と人間の関わり方の難しさ考えさせるものだと感じました。


4.アルビノと白変種

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この子たちの「命」を無にしたくない! 髙橋未佳


「コープさっぽろ」コープさっぽろ宅配中央センターの写真
「コープさっぽろ」宅配中央センター

「コープさっぽろ」様からのエゾシカ講演依頼を受け、当倶楽部は髙橋未佳会員を講師に選出し、武田が代表として同行した。まずはエゾシカの生態、個数管理が必要な理由、シカの命を惜しむべく、彼らに報いる方途は利活用しかないと声を詰まらせながらの講義。栄養士ならではの詳細な知識に加え、理解を頂くには、ビジュアル教材が欠かせないと沢山のリアル教材を持ち込んでの奮闘に会場は大いに沸いた。

終了後も「良い話が聞けた、シカ肉を食べてみたいが、どんな料理があるか?」などと質問が殺到。まさに、エゾシカを愛する彼女でなければできない講座だった。わずか1時間余の講義だったが社会に果たした役割は大きかったのではなかろうか。主催者も「まさに望んでいた話だった」と喜んで下さったばかりか、その日の内に髙橋講師の住所地にある系列店舗に紹介して下さったとのことである。


小鹿のぬいぐるみと一緒に命の尊さを訴える写真
小鹿のぬいぐるみと一緒に命の尊さを訴える
リアル教材を披露しつつ(写真)
リアル教材を披露しつつ
講座の合間に当倶楽部のチラシに見入る受講者
講座の合間に当倶楽部のチラシに見入る受講者



狩猟用鉛弾。2025年度から全国で使用規制


2022116日の読売新聞は、狩猟で使われた鉛の銃弾をオオワシなど希少な猛禽類がのみ込んで鉛中毒になるのを防ぐため、環境省が2025年度から全国で鉛弾使用を規制する方針を決めたことを報じた。


オオワシの写真
オオワシ

北海道では既に2000年にエゾシカ猟での鉛弾の使用を禁止。翌年には鉛散弾の使用も禁止し、2014年には鉛弾の所持も禁止している。

鉛弾の代わりになるのは無害弾である銅弾だが、鉛弾の約2倍の価格。ハンターの負担は大きくなる。しかし、地元ハンターは協力的だったという。「ワシやタカを保護することも猟友会の責務だ」とする猟友会の「生物多様性を確保する」という鳥獣法の精神が貫かれているのだろう。



エゾシカ倶楽部がワシ達の悲惨な事実を知ったのは20161210日。たまたま参加した「きたネットフォーラム2016」である。当日の講師である猛禽類医学研究所の斎藤慶輔代表が長年にわたり訴え続けてきた鉛弾規制の活動に関心を持った。「野の者は野に返す」という代表の崩れざる信念。エゾシカに係わる者として見過ごしにできない情報でもあった。以後、微力ながらも私たちに出来ることがあればと実施したのが、当倶楽部HPに斎藤先生の講演要旨の掲載。鉛弾規制を全国に広げるための署名運動。そして、2018年に行った斎藤慶輔代表の活動を紹介するエゾシカフェスタである(それ以前から既に有名人ではあったが)。

斎藤慶介代表の写真
斎藤慶介代表


鉛弾をめぐる事案との出会いから6年余。今、こうして斎藤慶輔代表の20年にわたる悲願が実る段階に入ったことに感慨を深くしないではいられない。



石狩地域エゾシカ・ヒグマ・アライグマセミナー(石狩振興局主催)


北海道博物館写真
北海道博物館
談笑する青柳講師と当倶楽部会員の原島氏
談笑する青柳講師と当倶楽部会員の原島氏

2022.1.7。真冬の北海道博物館で、石狩振興局主催の「石狩地域エゾシカ・ヒグマ・アライグマセミナー」を聴いてきました。わかったのは、私たちの周辺に野生動物たちがヒタヒタと押し寄せているという事実です。酪農学園大学の立木准教授によれば、10年前とは大きく状況が変わっているとのこと。


エゾシカの出没が多いのはオスではなくメスとその子。10年後は更に変化しているという予測。驚いたのは、街中への野生の出現は増えているにも関わらず、警察等の出動件数は変わっていないということ。市民も馴れてしまい、見かけても通報しなくなっているのです。


人間は減る。野生の数は増える。10年後のその又10年後はどうなるのか?

立木准教授によれば、「共生していくしかない」ということでした。ハンターを増やすことが急務になりそうです。次のコーナーでは、ハンター氏による魅力的な講話もありましたが、これは、また後日に。博物館の前の林では、コーンコーンとキツツキの作業音が冬空に響いていました。音はすれども姿は見えず・・・。



当倶楽部調理部長 髙橋未佳氏が東京 で「エゾシカ肉食育イベント」


北海道エゾシカ倶楽部調理部長の髙橋未佳さんの東京・目白での食肉イベント開催が決定いたしました。

テーマは『ジビエ王国北海道のエゾシカを食べる会』

■日時 2022.1.19 19:00

■場所 Brasserie Lamujica

    (東京都豊島区目白3-14-21)

■内容 Brasserie Lamujicaのオーナーシェフが、エゾシカの美味しい部位(肩・脛・ロース)を使用し、美味しくて美しい逸品に仕上げます。

 

その前後で、エゾシカの生態~歴史~利活用に関してのお話を髙橋さんが担当。

髙橋さんの願いは、安心・安全なエゾシカ肉とヤミエゾシカ肉がある点を広く知って頂く事。

ヤミエゾシカ肉業者が販売する、エゾシカ肉は安価で購入出来るが、それは将来的にエゾシカの乱獲(絶滅)に繋がり、それがまた、エゾシカ肉による食中毒に繋がり兼ねません。 

1度、食中毒が起きてしまったら、今まで築き上げられてきた、エゾシカ肉の消費がリセットされてしまう懸念があるのです。 

又、エゾシカ肉の消費部位も偏りをみせています。コロナが一旦収まりをみせている中

エゾシカ肉の需要は、高まってきており、モモや芯玉の一部に偏りが出ているが、他の部位がタブついてる状況です。この状況は、ハンターさんからの受け入れにも関係してきます。

1頭でも多くのエゾシカが利活用される為に、それらの点も含め、広く知って頂くために

企画したイベントということです。 

エゾシカ肉は、モモや芯玉以外は美味しくないって思っている 方もおいででしょう。でも、エゾシカのお肉は、どの部位も美味しくって、栄養価も優秀!この事実を広報し、エゾシカ肉のファンの方を集めようと動いているそうです。大切な命を頂く食育イベント。

 

この時期、東京へお出かけ予定のある方、東京にお住いの皆様に是非、ご参加いただきたいイベントです。


エゾシカ再増加!2021.11.29北海道新聞より


北海道庁環境生活部環境局自然環境課エゾシカ対策係トップページ

2012年から減少していたエゾシカが再増加していることが本日(2021.11.29)の北海道新聞朝刊でわかった。記事によると、これまで少なかった道南でも急増、農業被害が深刻化。道は対策に頭を悩ませているとに事。推定生息数は11年の77万頭がピーク。その後は減少傾向にあり、18年に65万頭を記録後、増加に転じる。20年、東部が31万頭、西部36万頭、南部では3万~17万頭とある。18年と比べ頭部は1万頭減ったものの西部と南部で最大7万頭増えたと推測(道が目視や捕獲数などから算出)。



背景要因として考えられるのは

  1811月の恵庭市の誤射事故による狩猟規制19年の捕獲数が前年より5000頭減。

  シカが苦手とする雪が少なかったため、生息域が拡大した。

  南部では、これまで農業被害が小さかったので対策が不十分だった。

さて、シカによる農林業被害は牧草、ジャガイモ、トウモロコシなどが中心。20年の被害額は全道で前年比2億円増の約40億円に達していると報告されている。 


因みに

東部→オホーツク、十勝、釧路、根室管内

西部→空知、石狩、胆振、日高、上川、留萌、宗谷管内  

南部→後志、渡島、檜山管内


以上について、過去にエゾシカHPブログにて関連記事を掲載している。 

〇趣味のエゾシカ狩猟に待った!私たちも無縁ではない。(2019.1.18ブログ)


バンブー茶・未佳先生・新庄剛志監督・妄想ロマン


熊笹茶を自前で作るの写真
熊笹茶を自前で作る

本日の我が家は製茶工場。乾しておいたクマ笹が良い塩梅になったので、ここぞと取り込み、チョキチョキと鋏をもって分解作業に取り組んだもの。


午前中は、エゾシカ料理専門家の髙橋未佳さん(釧路市)が、NHK番組「ひるナマ!北海道」に登場するとのことで、ウキウキしつつ。午後は、演歌を聞きながら。その後は、日ハム監督に就任する新庄剛志氏の第一声に、ワクワクしつつ、家内労働に従事した。そして、それだけで、一日の昼の部があっけなく終わってしまった


一銭にもならない無賃労働。しかし、思いがけない拾い物があった。自信がついたのだ。これ迄、何の役にも立たないヤツと自分を見下げてきたが、実はそれ程でもないのでは?と気付いてしまったのである。こともあろうにこれならいけると。工場での単純作業に耐えうるのではないか。どうせなら無賃よりお給料のある方がいい。そういえば、人生100年の老後資金も不足している。何処かの工場で働けないかと妄想が進んだところで我に返った。何処の何方が雇ってくれる?


そんなことより、目先のイベント。まずは、117日(日)のイベント。暫くぶりの料理実習!講師様は、本日、テレビにお目見えした未佳先生でございます。そこで、自前のバンブー茶を参加者に飲んでいただこうetc。まあ、アレコレと考えを巡らした華麗なる妄想ロマンにとらわれた一日でございました。



漢方クマザサ!那須の友と語り合いたかった「BEAR BAMBOO GRASS TER」


モノの本によれば、クマザサは1600年も前から中国で漢方として用いられているそうだ。それを知った笹採り3人組。雪の降る前にもう少し採っておこうと、またまた、郊外へ出かけて行った。仲間のKさんは、笹を洗って乾しておくだけで家中に芳香が漂い、心の癒しになるという。最近、清涼飲料水としてペットボトル(500㎖)で販売されていることも知った。それを、エゾシカ仲間の森裕子さんから頂いたのだが、ボトル表示には「BEAR BAMBOO GRASS TER」とあり、まさに納得!文句の付けようがない直訳だ。


この美味しさと効能を伝えようとクマザサなら、そこら中にある那須の同級生に電話で吹聴したところ、「だけどね…」と返ってきた。那須は10年前の福島原発事故のあおりを受けて、山菜などの山の恵みを採取する人は、今では誰もいないとの事。放射能汚染…永遠ではないとしても、半減期を繰り返しながら減っていくことを考えれば、元に戻るまでには気の遠くなるような年月がかかる。セシウム137は半分の量に減るまでに30年間、カリウム40に至っては13億年もかかる(中学生・高校生のための放射能副読本(H30.9 文部科学省)。美しかった那須山、栄えていた温泉街、老いていく友…楽しかった日々が一瞬にして遠い幻に。大好きだった同級生たちとクマザサ薬効を語り合いたかった。


我が家の窓辺で揺れる笹の葉の写真
我が家の窓辺で揺れる笹の葉

鶴居村のハンター坂本達也さんの写真。殺菌力があるので、お漬物の蓋代わりに。美味しく安全にお漬物を守ってくれるでしょうね 。



実はこんなに凄い!漢方薬素材としてのエゾシカ角の薬効!


皆さんは、エゾシカの利活用の話しになると、何を思い浮かべますか。まずはお肉、そして革や角の工芸品だと思います。しかし、シカは全身が宝!シカ角は漢方薬の素材として驚くべき薬効成分を持っているのです。10月定例会での会員研修で、当倶楽部会員の鄭権氏(薬学博士)より、エゾシカ角についてのお話がありました。これは、その講義から得た感想です。


鹿美健(株)代表 鄭権氏の写真
鹿美健(株)代表 鄭権氏

鹿角を原料とした漢方薬は、2,500年位前から現代にいたるまで、健康長寿・滋養強壮の補薬として、ずっと中国を中心に世界中で飲み継がれてきました。男性はもちろん、女性にも効果があるそうです。

現在日本の市場では、医薬品と健康食品、そして角を煎じて作る膠(鹿角膠)から取れる接着剤など色々ありますが、ほとんど100%近く、中国からの輸入に頼っています。

原料の鹿角が中国では常に品薄なため、非常に高価なものとなっています。

そこで鄭権さんが目を付けたのが、北海道のエゾシカ角でした。 

毎年ほとんどが利用されることなく、廃棄焼却処分されてしまう厄介ものでしたが、この角を原料として、漢方薬やサプリメント等を製造してみると、輸入品と比べて段違いに高品質なものが出来ることがわかったそうです。日本のシカの中でもエゾシカは特に品質が良いようです。



宗谷岬のエゾシカ達(撮影: 鄭 権)の写真
宗谷岬のエゾシカ達(撮影: 鄭 権)

北海道ではエゾシカを撃つ場合、オスではなく、メスを狙います。メスの方が肉が柔らかいし、個体数管理のための駆除ではメスを撃たないとシカは全く減らないからです。


また廃棄する際にも角の重量は相当重く、その分駆除にもお金がかかります。

普段厄介ものとして見向きもしなかったエゾシカの角に、こんな素晴らしい薬効が隠されていたなんて、晴天の霹靂でした。


鄭権さんは、2017年にエゾシカを使った国産の生薬素材の製造に成功し、現在本格的な増産のためにエゾシカ角の買い付けをしているそうです。(文責:棚川伊知郎)



西興部村のエゾシカレジェンド中原慎一氏をNHKが!


10/15.NHKTV「道スタ・外伝 79市町村の魅力お伝えします」は、”エゾシカに熱い町”として西興部村を紹介。それもその筈、この村は人口こそ少ないものの、知る人ぞ知る「エゾシカ狩猟の聖地」なのだ。


上:エゾシカレジェンド中原氏 下:第1回エゾシカフェスタ写真
上:エゾシカレジェンド中原氏 下:第1回エゾシカフェスタ

登場したのは、ハンター歴50年のレジェンド。西興部村養鹿会の中原慎一会長。気さくでユーモアたっぷりのお人。これでは、鹿にも好かれる筈だ。自ら開設したシカ牧場で、シカ達に囲まれ、餌をやっているお姿を以前、TVで拝見した。中原氏からは、クマ肉ばかりか「クマの手」まで頂いた。当座の居場所は、我が家の狭い冷凍庫。

戸惑う新所有者を尻目に、彼の「手」は、森の王者さながらの存在感を示しつつ、暫くの間、居座った。


さて、レジェンドは、当倶楽部が初めて開いたフェスタに駆けつけ、ご挨拶して下さってもいる。思い出をひも解けば、未公開の秘蔵写真が!良い機会だ。まずはコレをデビューさせることにする。


クマ肉「切るには切ったがどうするか?」写真
クマ肉「切るには切ったがどうするか?」


秋の日の「クマザサ狩り」へ。毎日が日曜日の3人組。



仲間3人で「笹狩りへ」の写真
仲間3人で「笹狩り」へ

10/3晴れ。

調子に乗って、毎日が休日のエゾシカ仲間3人で「笹狩り」に出かけました。

 

獲物たっぷり!今年の冬のストックに。10/10はエゾシカ倶楽部の定例会。作りたてのバンブー茶を持参、試飲してもらう計画ですが、悦んでもらえるかな?

 



人生は甘いレモン色!With エゾシカ・バンブー茶


人生100年の旅は、健康という資源あっての長丁場。これを支えるアイテムにクマザサを原料とする「バンブー茶」を加えてみては如何だろう。笹はシカ達の命を支える重要な食料。餌の無い冬期間は雪の中から笹を掘り起こして食べる。


乾した笹: 完成したバンブー茶写真
乾した笹: 完成したバンブー茶

このお茶を最初に知ったのはネット広告。エゾシカと係わりがあることから、遊び心で買ってみたが、添付されてきた栄養成分表示に驚愕。茶葉100グラム当たり「蛋白質12.6g、脂質3.7g、炭水化物74.9g、カリウム1400mg、カルシウム170mg、亜鉛3.9mg、鉄8.2mg、マグネシウム95mg、食塩相当量0.01グラム未満(推定値)というもの。栄養分に不足なし。さすがはエゾシカ。天性の食料選択眼に狂いはない。


更にネットで調べてみると驚きの効能効果が続々と。その中でも、体内に溜まった老廃物を排出するデトックス効果には注目だ。老廃物を抱え込むのは万病の元。笹の持つ防腐効果が免疫力の向上に役立つことも見逃せない。



さて、イイコトだらけのクマザサ茶は自分でも作れる。此処は蝦夷地だ。郊外に足を延ばせば、笹は何処にでも自生している。無農薬・無添加の自然の恵みが道端にだってある。それを採取し、乾して、切って、お湯で飲むだけ。飲む前にオーブンでチョット焼いてもいいし、フライパンで炒ってもいい。香ばしさが部屋中に広がります。人生も時には野生の知恵に学びましょう。淡いレモン色をしたうっすら甘味の「エゾシカ・バンブー茶」!美味しいですよ。


<後日談>

上記の記事につき、旭川の森裕子さんから「母は煮魚とか、イカ飯とかにも下に敷いて使っていた」とのコメントを頂きました。

笹には、殺菌力があることをお母様はご存じだったのですね。そこで、思い出しました!昨年の秋のことです。大阪でケーキ店を営む知人から「北海道のクマザサを送ってもらえないか。ケーキを作ってみたいので」とお手紙が来たのです。勿論OK!「ハイ、ハイ」と早速、笹を採取し、送ったところ、後日、クマザサらしき美しい緑の層が埋め込まれたチーズケーキが届きました。目に眩しく華やかです。それに、美味しさも半端じゃなかった。ただ、その頃は、クマザサに大した興味もなかった私ですが、写真だけは撮ってあったので、ご参考までにご披露いたします。ところで、笹を窓際に吊るしておくと良い芳香が漂うんですよ。幸せな気分になりますわ。




さもあらん!ウチの娘の筋肉はエゾシカ肉で出来ている


2021.9.24。7:45からNHKで放送された「おはよう北海道 西興部村に滞在1ヵ月 猟師夫婦の革小物」という番組をご覧になった方も多い筈。神奈川県から西興部村に移住され、現在は「NPO法人西興部村猟区管理協会」事務局長として活躍中の伊吾田順平さんご夫婦が紹介された。


2019.12 北海道博物館「エゾシカ展」に出展
2019.12 北海道博物館「エゾシカ展」に出展

北海道エゾシカ倶楽部は、西興部村の協力を得て創設できた団体。以来、大変お世話になっている。HPで使用しているシカ写真の殆どは高畑秀美前村長の撮影によるもの。これまで行ってきた「エゾシカフェスタ」での料理に使ったシカ肉は全て「西興部村養鹿研究会」のご厚意によるものだ。会長の中原慎一氏からはクマ肉を送って頂いたこともある。忘れられない伊吾田さんの言葉がある。

「ウチの娘の筋肉はエゾシカ肉で、できているんですよ」サモあらん!ご夫婦ともにハンターなのだから。 関連記事:ガイド付きハンティングで地域おこし 


倶楽部設立会議(森議長) 中原慎一会長 伊吾田事務局長 前村長高畑秀美氏 
倶楽部設立会議(森議長) 中原慎一会長 伊吾田事務局長 前村長高畑秀美氏 


幻の鳥「ケツァール」が民家の傍に居を移す!


某新聞で目にしたコラム。幻の鳥といわれる「ケツァール」が人里で暮らし始めたという。


書き手の高砂淳二氏が(写真家)が綴る。「頭から長い尾にかけては、まるで翡翠のような美しいグリーンの羽をもち、お腹は鮮やかな赤、そしてくちばしは朱色に近い黄色と、作り物のような美しさを持つ鳥、ケツァール。そのあまりの絢爛さから、世界一美しい鳥といわれている」。さすがは「火の鳥」のモデルだ。その美しさは想像に余りある。「ケツァールは飼いならすことが困難で「自由」を象徴する存在としても知られる。中米の標高の高い雲霧林の高木を住処とし、見つけにくいことから、「幻の鳥」ともいわれてきた(原文)」。



その鳥がコスタリカ(中米)の或る場所に住み始めたというのだ。

最適の住処から、人目につきやすい民家の近くに居を移したのは何故なのか。

その理由を、現地ガイドは「人間が危害を加えないことが分かり、むしろ人間の傍にいた方が天敵から身を守れると判断したようだ(原文)」と高砂氏に説明した。コスタリカは自然保護運動の旗手として知られるが、気になるのはガイドの次の言葉だ。「いくつかの動物は少しずつ人間に近い場所で暮らすようになってきているようだ(原文)」


書き手は「人の自然への向き合い方次第で自然も変わってくるという意味深長な逸話だった」と書いてコラムを終わる。読み手には複雑な思いが残された。

 

人を恐れなくなった動物たちはエゾシカやヒグマだけではない。人間世界に歩を進める動物たちは確実に増えている。単一エリアで動物と人間が共生することは今後も可能なのか。

そのバランスを知りたい。野の者は野に帰り、「幻の鳥」は幻であり続けて欲しいと願うのは、もしかしたら人間側のエゴなのだろうか。



「エゾ三弦」が旭川の伝統工芸「優佳良織」とコラボ!


りんぺい三上師匠が開発したエゾシカ三線は「えぞ三弦」と命名。その理由は、ニシキヘビの革を胴に用いた伝統楽器の音は高く弾むような音。エゾシカ皮を使った場合は深く優しい音色が特徴。というわけで、それぞれの特性を活かすため、名称を変えたとか。更に、今回は、旭川の貴重な伝統工芸「優佳良織」とコラボ。色彩豊かな「えぞ三弦優佳良バージョン」を発表。えぞ三弦を通しての北海道と沖縄の文化の懸け橋を目指す。この壮大な試みもいよいよ佳境に入りつつある。




優佳良工芸館が閉鎖され、せっかくの技術が失われていくのかと、旭川市民はとても残念でたまりませんでした。優佳良織を引き継ぐ工房ができ、さらにそれが北海道と沖縄を繋ぐ新たな楽器というカタチになるとは、なんて素晴らしいことでしょう。(旭川 森 裕子)

・部当てィ師 りんぺい三上の「えぞ三弦」


早朝の札幌!住宅街にクマ。4人けが!


2021.6.18早朝。札幌市東区元町にクマが現れ、4人が襲われ重軽傷を負う。札幌は人口ざっと198万人を擁する大都市だ。

そのど真ん中で、山中に棲む筈のクマがヒトを襲うなど今までは考えられもしなかった。午前11時過ぎに猟友会により捕殺され、胸をなでおろしたものの、これで終わりではあるまい。

季節はクマの餌に乏しい夏に入る。餌を求め、パートナーを求めるクマたちが市街地に迷い込む危険性は十分にある。


突然のクマとの遭遇にどう対処すべきか。この問いに、酪農学園大学の佐藤喜和教授が昨夕のテレビで答えた。

できることは何もない。市街地に入ってきたクマと共存する必要はない。速やかに駆除すべし」と明快だった。


近年のクマ(新世代ベア)が、人間を恐れなくなっていることは周知の事実だ。彼らは「ヒトは無害な存在」だと認識している。思うに、野生の動物たちは「カワイイ」の対象ではない。人間と対等の畏怖すべき生命体である。人間と野生の者は住むべきゾーンを区切り、古来、互いに棲み分けてきた。それがいま、崩されようとしている。野生動物たちが人間の生活圏に進出(誘引したのは人間行動)。食い止めるべきハンターは不足。高齢化に加え、猟銃所持の規制が壁となり、新たなハンターを増やすことも容易ではない。


4.4のブログにも書いたが、クマ対策はクマが出没した自治体が単独で行っており、横の連携は殆どない。自治体の職員には専門家がいない。クマは何処へでも行く。各市町村の境界など気にしない。このままでは、野生の進出を阻むことは難しい。クマとの市街戦になれば人間に勝ち目はない。一人一人が考えるべき時期にきている。

さて、以上は素人の世迷い言。更なる知見は、第7回エゾシカフェスタでの旭山動物園長坂東元氏の講演をお読みいただきたい。



エゾシカよ!役立て!北海道SDGsに貢献だ


2月から当倶楽部が推進してきた北と南の文化融合の象徴。「エゾシカ三線」は、SDGs⓬に合致する。森の厄介者エゾシカが、北海道が誇れる新しい文化に育ち、世界のSDGs推進に、一役かっていけるなら痛快だ。どんな優れたサービスもモノも伝える媒体が無ければ世の中に広がることはない。私たちは消費者であり、商品開発などは不可能だが、媒体としては僅かながらも役割が果たせたのではないか。加えて今回は、機能性抜群の下記メディア群が動いてくれたことは幸いだった。


「エゾシカ三線」札幌東急店での写真
「エゾシカ三線」札幌東急店にて

2021.4.9 北海道新聞が紹介記事(全道版)

・販売期間中、札幌テレビ(STV)が紹介。

・沖縄のRBCiラジオが紹介。

2021.5.12 NHK放送(釧路・根室地方地方)・沖縄でも放送

2021.5.14 釧路新聞が記事掲載「エゾシカ皮で沖縄の三線」

2021.5.19 NHK全道放送「ほっと北海道」

2021.5.19 沖縄タイムス掲載

 2021.5.20 共同通信取材

 

 



5/19.NHKによる全道放送後は、視聴者からは「ヘビ皮に比べ、エゾシカ皮の方が明らかに音の響きが良く、明るくて、弾けるような感じがした。エゾシカ皮の勝ち!エゾシカ皮は、この楽器の分野でも将来有望。楽しみだ」「ヘビ皮とシカ皮の音色は明らかに違う。もっと聴きたかった」「シカ皮三線の音色に思わず聴き入ってしまった」「鼓笛隊の太鼓に使ってはどうか?」などの声も寄せられた。当該ニュースは、コロナ禍で苦しむ社会に束の間であれ、癒しを与えたことと思う。エゾシカよ!役立て!                  関連記事


酒は脇役、主役はジャーキー!


知床のエゾシカジャーキーの写真
知床のエゾシカジャーキー

エゾシカの本場。知床のエゾシカジャーキー。

ほろ苦い味は酒の肴にピッタリでございます。それにしても、このセールスコピーの舌をまく巧さ!何処の何方が書いたのか。主役のお酒は脇に押しやられ、エゾシカ肉が主役だと言い切る大胆さ!この自信!北の果て知床の誇りを、一度、ご試食なさってみては如何でしょうか?

「知床。日本のはじっこ。豊かな森。澄んだ空気。動物たちはイキイキと育つ。食材の味は目利きが選ぶ。さらに干せば味が凝縮する。TOTTANの乾物シリーズには、その豊かさがギュッと濃く詰まる。余計な味付けは、できるだけしない。干す環境、干す時間が、肉そのものの旨みをじわじわと引き出す。乾物は、最高の酒のつまみになる。いや、むしろ酒を脇役に押しやるほどの存在感だ。子供のうちから食すれば、本物を知る舌の肥えた子になるだろう。」



愛知県小牧市の市街地にカモシカが!


2021.4.27のTVニュース。愛知県小牧市の市街地にカモシカが現れたという。カモシカといえば、標高1500以上の山岳地帯に生息する動物。その動物が人間様の住む街に?


反射的に思い出したのは、3/21の当倶楽部定例会で受けた「EZOPRODUCT」代表の菊地隆氏の講義だ。テーマは「循環型社会におけるエゾシカ皮革の利活用」だったが、最後に次のような話をしていた。



「現在、課題とされているのがカモシカの増加。山羊の種類だが、60年前に「特別天然記念物」となった。そのため、鳥獣保護管理法の狩猟の対象ではなく、増えても捕獲ができない。また、10年前の福島原発事故で置き去りにされた豚がイノシシと交配して生まれたイノブタが、放射能リスクで利用できずに全量廃棄されている。循環型社会に於いては、これも課題といえるだろう」。


今後、人間が住むべき領域で、向き合わなければならない野生動物は否応なしに増えていきそうだ。鳥獣保護管理法はH26に改正されたが、こうした状況の中、更なる見直しも必要ではないか。とはいえ、カモシカは国の「特別天然記念物」。単なる天然記念物ではない。「特別」という二文字は天然記念物の中でも、世界的、国家的に重要なものに限り、冠されるようである(二段階指定制度)。してみれば、素人の分際で「法律見直しを」などと叫ぶべき次元のものではないのかも・・・。イノブタ問題は、はて?


情報交換必要か?クマ出没の季節


冬眠あけしたヒグマが穴から出てくる季節。市街地付近に出没しやすくなる時期となった。

 2021.4.3の読売新聞は、総務省北海道管区行政評価局が、クマ対策について各市町村から聞き取った実態調査(2020年10月から)の結果を報じている(全179市町村対象。173市町村が回答)。

それによると隣接する市町村と情報交換したり、道や国と連携したりしている自治体は2割程度。同局は「広域的な連携が進めば、対策が一層効果的に行われる」と指摘したそうである。過去5年間にクマが出没した自治体は、164市町村(94.8%)にのぼる。



クマは行動範囲が広く、縄張り意識もないため、行動圏も他の個体と重複。歩き回る範囲は、オスが数百㎢、メスが数十㎢と広い(札幌市HP)。当然ながら、各市町村の境界など気に留めるクマはいない。素人目には、広域的連携は当然のことと思われるが、情報交換を行っていたのは、33市町村(19.1%)のみ、道や国に支援を要請していたのは、僅か30市町村(17.3%)である。気になるのは「専門的知見を持つ職員がいない」とした市町村が15388.4%)もあったこと。北海道だけの問題ではない。2019年に日本学術会議が示した「人口縮小社会における野生動物管理のあり方」という文書によると、野生動物管理の公開講演会に参加した全国各地の行政関係者47人の殆どが「鳥獣専門職員の配置が市町村・都道府県に必要」と回答している。


各自治体に専門的知識をもつ職員の配置が必要ではないだろうか。できれば、知識に加えハンター資格を持っている職員が欲しいところだ。クマを撃つことはシカを撃つことよりも難しいと聞く。ハンターは高齢化が進んでいる。その為にも、野生動物の保護・管理を担う人材を大学などで養成する仕組みが整備されればと願うところだ。


苫小牧市街地をエゾシカ20頭が疾走!追いつめられる人間社会


西興部村前村長 高畑氏が撮影した写真
西興部村前村長 高畑氏 撮影
雨上がりの苫小牧市街地の写真
雨上がりの苫小牧市街地

苫小牧市街地をシカ20頭が疾走!という3/22のニュースには驚くばかりだ。 同時に、遂にその日が来たかという思いもある。脳裏に浮かぶのは、旭山動物園の坂東園長の言葉だ。


「シカは夜間、街中にまで来ている。人間が気付かないだけ。夜間は撃たれないことを知っている。街に宵闇が迫ればシカたちのお出かけの時間。「そろそろ行くか」と腰をあげる。人々は見えない所で起きていることには関心を示さず、見えるところに対しては感情的になる。関心は自分にとっての被害だけ。庭先に花を植えてシカが食べれば害獣。自分が関わっていなければ無関心だ。自然そのものが破滅に向かっていることに目を向けようとしない」。


苫小牧市は、もともとシカが多い。市内の縄文時代の遺跡からはシカの絵が描かれた土器、エゾシカの骨が大量に出土していると聞く。豪雪を嫌い、ササ類を好むエゾシカにとって太平洋沿岸は越冬地として最適だったのだ。明治時代には、美々(びび)(JR千歳線2017.3.3廃駅)に鹿のカンズメ工場があり、輸出もしていたようだが、獲りすぎてシカはいなくなり、工場を閉鎖したという歴史がある。


街中は、鹿にとって安住の場所でもある。市街地では撃たれないということを彼らは今回、学んだ筈だ。人の生活圏に一旦、足を踏み入れた野生動物は、どんどん侵入する。大地を巡る壮大な人間との陣取り競争。角という武器を持ち、若さとエネルギーに溢れたアスリート軍団&少子化で老いていくだけの人間世界。立ち向かうことはできるのか。人間の住む場所が狭められてくることを懸念するばかりだ。



どうする?人間さま?この不安定な生態系ピラミッド!


先日、この欄でDVD「アフターデイズ」の論理を元に、新型コロナの襲来は、地球から人間を追い出すための天の差配ではないかと書いたが、それが満更でもないような気がしてきた。国立環境研究所の資料「温暖化と生物の絶滅(2015年)」を見つけたからだ。執筆者は、国立環境研究所生物生態系研究センター 主席研究員(室長)五箇公一氏だ。


五箇公一氏(その昔、札幌で武田撮影)写真
五箇公一氏(その昔、札幌で武田撮影)

人間は生物のいない世界では生きていけない。生命活動に必須の酸素や水は勿論のこと、農作物、医薬品の素材となる植物、微生物などの遺伝子資源や、美しい風景など、人間社会に不可欠な資源と機能を提供しているのは全て生態系である。その生態系ピラミッドの頂点に君臨するのは猛禽類だとばかり思っていたが、その上に「人間」が、居座っていようとは!しかも、爆発した人口を抱えてである。(以下、引用させていただく)


本来、地球上の生物は、生態系というシステムの中で物質とエネルギーの循環を行い、その生息数のバランスをとっている。


太陽エネルギーによって、植物が二酸化炭素と無機物から酸素と有機物を作り出し、それを一次消費者である草食動物が利用、その草食動物を高次消費者である肉食動物が利用するという生物の階層性が構築される。


各階層で利用できるエネルギーと物質には限りがあるので、必然的に個体数も制限され、高次消費者になるほど個体数が少なくなるという生態系ピラミッドが造られていた。

ところが人間の人口が爆発的に増加した現代、このような生態系ピラミッドは完全に崩壊。巨大な消費者の傘として人間は生態系の頂点にのしかかっている。これだけ巨大な人口を支えるには太陽光だけでは足りず、人間は化石燃料を掘り出して、資源として燃焼し続けている。そして、大量の食糧を確保するための乱獲、農業面積の拡大、大量消費に伴う廃棄物の環境中への放出など、重圧な環境負荷が自然生態系の循環システムを完全に狂わせている。(環境省WEBページ「ココが知りたい地球温暖化 #11 温暖化と生物の絶滅」)

 



これでは、人間を頂点とした不安定な生態系ピラミッドはいつ崩壊するかわからない。

 

取り返しのつかない事態が起きる前に、私たちにも出来ることがあれば身近なところから取り組んでいきたい。

1600年時(関ケ原の戦い)の世界人口は15億人、産業革命頃から劇的に増加し、現在76億人。1年で8300万人増えている。


シカは何故増えた?でも被害は減った。何故?


平成30年の推定生息数65万頭に比し、令和元年は67万頭と増加しているが、農林業被害は減っている。捕獲数が減っているにも係わらずである。以下は、その因果関係について道庁エゾシカ対策係に問い合わせた回答である。


1.推定生息数増加の原因について


北海道環境生活部環境局自然環境課エゾシカ対策係・活用係 HPより写真
北海道環境生活部環境局自然環境課エゾシカ対策係・活用係 HPより

 

 

捕獲数の減少が原因として挙げられる。 個体数の抑制には仔を産むメスの捕獲が重要だが、H30-R1にかけて捕獲数が大きく減少しており、とりわけメスの捕獲数が大きく減少している。

結果として多くのメスが春先まで生存し、多くの仔が産まれることになったものと考えられる。


 また、捕獲数減少の原因としては、H30.11月に発生した狩猟死亡事故の影響がある。H30狩猟期後半~R1狩猟期にかけて国有林・道有林への入林規制が強化され、このことが狩猟での出猟回数の減少、捕獲数の減少に繋がったと考えられる。


 更に、R1は積雪が非常に少ない年であったため、笹が雪に埋もれることなく、餌の環境が良かったことも挙げられる。 餓死の可能性が低くなることと、通常は限られたエリアに集中するエゾシカが広い地域に分散することで捕獲が難しくなったことなどが考えられる。


2.推定生息数の増、被害の減、捕獲の減について


 推定生息数の増と捕獲数の減については、1で記載したとおり。 

被害の減については、農林水産省の交付金により侵入防止柵の設置や維持補修が進み、農作物の被害防止の効果が現れたと考えられる。

 被害額は39億円と未だ高水準にあることから、北海道としては捕獲数の増加を図り、エゾシカの生息数を抑制する必要があると考えている。


人間が地球に与える影響。人工物量が1兆トン上回る

~イスラエルのワイツマン科学研究所が試算~


DVD アフターデイズの写真
DVD アフターデイズ

イスラエルのワイツマン科学研究所による「地球上の人工物量が生物量を上回る」との研究論文が英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載されたことを新聞報道で知った。「ワイツマン科学研究所」は、世界的にも有名な総合研究センターであり、約2,500名の科学者、博士号取得後のフェロー、大学院生、スタッフが働いているという(wikipediaより引用)。


当該研究所のHPにアクセス。そこで知ったのは、道路や建築物など地球上の人工物量が過去100年間で急激に伸びたという事実。これらの重量は、ほぼ20年ごとに倍増。このままいけば、2040年までに3兆トンを超える見通し。ちなみに、1900年の人工物は350億トンだった。一方、生物量は減少しつつある。森林や植物の総量は9千億トン、陸と海に生息する生き物は40億トンにとどまっている。主な要因は、人間による森林伐採、集約農業を可能にするための土地利用変更などの消費活動であり、人間が地球に与える影響の大きさを思い知らされた。



一方、数年前にエゾシカ倶楽部定例会で視たDVD「アフター・デイズ」の主題が頭をよぎる。「地球に人間は要らない。だが、人間は地球を必要とする」。自然は私たちが思うほどヤワではないようだ。或る日、何かのきっかけで、地球上から人間が消えれば、自然は、人間が1万年かけて作り上げた人工物を1000年で破壊、同時に美しい地球を取り戻していくという。本来の青い地球を蘇らすには、人間がいなくなるだけでいい。あとは自然が摂理する。このロジックが真実だとすれば、新型コロナの襲来は、地球から人間を追い出すための天の差配ではないかとさえ思えてくるのだが。


■今度はクマ!

3月25日の北海道新聞によると、近年、クマの市街地出没が増えたことで室蘭工業大学が札幌市民を対象に意識調査を行うとのこと。この結果を受けて、札幌市が対策に役立てるという。市街地への出没が急増した原因としては、市街地に近い山間部で繁殖が繰り返され、親離れした若いクマが人間の生活圏へ侵入していると推測されているようだ。

 

 これら「新世代bear」達は、人間を恐れない傾向にあるというから困ったもの。ここで思い出したのが、「もうひとつの北海道環境白書2」の中で語られていたエゾシカ協会専務理事井田宏之氏の言葉。(以下、原文のまま)「子ジカがたくさん生まれたら、最初の冬を越せなくて衰弱してしまうものも多いはず。それがどうもヒグマの餌食になっているようです。クマは冬眠動物ですが、最近、普通ならまだ眠っているはずの早春に、丸々太った状態で狩猟されるケースがでてきました。シカ増殖のおかげで冬季も食料を確保できるので、冬眠なしで越冬できるようになっている可能性があります(P.048)。」  deerとbearは、関係があった!

 

■命を撃つ 2014.3.21 

3月21日15:30から TVh で放送されたドキュメント番組です。

酪農学園大学の伊吾田准教授と研究室の若い学生さんたちのエゾシカへの取り組みが紹介されていました。命を撃つことへのためらい。怖れ。そして苦渋の決断。それらの感情を乗り越えながら、エゾシカに銃口を向けていく。辛い訓練です。

 

人々の幸せも経済繁栄も、まずは安全・安心の大地と豊かな自然環境があってこそ。

そのためには、野生動物と向き合い、彼らと適度な折り合いをつけていかなければなりません。その任務は誰かが引き受けなければならない。北海道の将来に向けて、その人材群を酪農学園大学が育てていることは知っていました。しかし、訓練の現場を目にしたのは初めて。眼前を生き生きと走っていたエゾシカの命を一瞬に絶つ。倒れた生命はまだ温かい。呆然と立ちすくむ学生。そうした実習のなかで、命の重み、大切さを私たちの何倍も学んでいるに違いありません。是非、頑張ってほしい。地域を守る尊い使命であることをしっかりと心に刻みました。